不思議なことに、エラ・ウィーラー・ウィルコックスとの出会いの記憶が今では全く残っていないのです。エラの詩を訳し始めたのが2005年の秋頃ですので、2005年の夏に彼女に出会ったのだと思いますが・・・ おそらくは、引き寄せの法則関連の本を貪り読んだり類似の情報を集めていた時に、ひょんなことから彼女の詩に巡り会ったのかも知れません。
「ニュー・ソートの詩人」と呼ばれるだけあって、彼女の詩には思いや言葉の力についての詩やエッセイが少なくありません。いくつか挙げてみます。
1月23日
何度も 何度も 何度でも
言葉にしたり歌にして伝えたい真実がある
愛には憎悪より遥かに強い力があるし
ものの考え方次第で 人生は良くも悪くもなる
人生は素晴らしいものだということを
[繰り返すことが大切]
1月30日
この地球には二種類の人間がいることを知って欲しい
自力で向上する人たちと 周りに頼るだけの人たちだ
この地球上のどこに行こうとそこにいるのは
これら二種類のいずれかに分類される人間だけだ
[あなたはどちらの人間?]
3月28日
「私は健康です」とか「すべて順調です」と言おう
神がその言葉を聞き届けて叶えてくださるのだから
[言葉は大切]
4月23日
恐れに屈服して、貧困と失敗は生まれた時からの定めだと信じてしまえば、生きる勇気と成功と富の増大は遅々としたものになってしまいます。勇気と成功と富は、それが自分のものだと断言して求め続ける信念の深さに応じて、増大して目に見える形となって現れて来るのです。
[種を蒔く]
9月22日
思考は磁石なのだ 待ち望んだ喜びや満足や
恩恵や目的や目標は鋼なのだ
その思いが達成されるかどうかは
心が何をどう感じるかにかかっている
[思考は磁石]
20世紀初頭には彼女はたいへん有名な詩人になっていましたから、色々な人がエラから影響を受けました。
Napoleon Hill ナポレオン・ヒルの“Think and Grow Rich” 『頭を使ってお金持ちになろう』1937年初版本のCHAPTER 12 THE SUBCONSCIOUS MINDには彼女の次の詩が引用されています。
You never can tell what your thoughts will do
In bringing you hate or love;
For thoughts are things, and their airy wings
Are swifter than carrier doves.
They follow the law of the universe—
Each thing must create its kind;
And they speed o’er the track to bring you back
Whatever went out from your mind.
[You Never Can Tell]
あなたには決して分からない 思ったことがどうなるのか
もたらされるのが憎しみなのか愛なのか
思いは物とおんなじ 思いにはフワフワした羽が有って
伝書鳩よりも早く飛ぶのだから
思いは宇宙の法則に従うのだから
どんな思いも必ずそれと同じ実体となる
その実体はものすごい速さであなたを連れ戻す
あなたの心から出た思いの元へと
[あなたには決して分からない]
ナポレオン・ヒルは思いが潜在意識に留まってマグネットや設計図の役割を果たして、実体となって現れると主張するのにこの詩を援用しています。
井上ひさしが朝日賞を受賞した際のスピーチにもエラが登場しました。
「笑いで涙を減らしたい」
中学三年の秋、私を仙台の施設で預かってくれたカナダ人の修道士が、エラ・ウィーラー・ウィルコックスというアメリカの女性大衆詩人の「ソリチュード(孤独)」という短い詩を教えて下さいました。英語の発音に自信がありませんので、私の訳で申し上げます。
この地球は涙の谷
悩みごとや悲しいことでいっぱいだ
そこで喜びはどこからか借りてこなくてはならぬ
その借り方は—あまり有効な方法ではないが、しかしこの方法しかないので、あえていうが—とにかく笑ってみること
笑うことで喜びを借りてくることができる
悩みごとや悲しみは最初からあるが、喜びはだれかが作らなければならないという詩です。この喜びのパン種である笑いを作り出すのが私の務めです。時に不発だったり、時に間に合わなかったり、なかなかうまくは行きませんが、これからも笑いをコツコツ作ってゆく決心です。そのことでこの世界の涙の量を一㌘でも減らすことができれば、こんなうれしいことはありません。
[2001年1月31日付け朝日新聞朝刊]
この『エラ・ウィーラー・ウィルコックスと毎日を生きる』は、彼女の大量の詩とエッセイから抽出されたエラのエッセンスともいうべき内容になっています。366の詩とエッセイひとつひとつが、毎日まいにち私たちに気づきを与えてくれます。
ひとりでも多くの方がエラからインスピレーションと生きる勇気と力を与えてもらえますように。
匠 健
「ニュー・ソートの詩人」と呼ばれるだけあって、彼女の詩には思いや言葉の力についての詩やエッセイが少なくありません。いくつか挙げてみます。
1月23日
何度も 何度も 何度でも
言葉にしたり歌にして伝えたい真実がある
愛には憎悪より遥かに強い力があるし
ものの考え方次第で 人生は良くも悪くもなる
人生は素晴らしいものだということを
[繰り返すことが大切]
1月30日
この地球には二種類の人間がいることを知って欲しい
自力で向上する人たちと 周りに頼るだけの人たちだ
この地球上のどこに行こうとそこにいるのは
これら二種類のいずれかに分類される人間だけだ
[あなたはどちらの人間?]
3月28日
「私は健康です」とか「すべて順調です」と言おう
神がその言葉を聞き届けて叶えてくださるのだから
[言葉は大切]
4月23日
恐れに屈服して、貧困と失敗は生まれた時からの定めだと信じてしまえば、生きる勇気と成功と富の増大は遅々としたものになってしまいます。勇気と成功と富は、それが自分のものだと断言して求め続ける信念の深さに応じて、増大して目に見える形となって現れて来るのです。
[種を蒔く]
9月22日
思考は磁石なのだ 待ち望んだ喜びや満足や
恩恵や目的や目標は鋼なのだ
その思いが達成されるかどうかは
心が何をどう感じるかにかかっている
[思考は磁石]
20世紀初頭には彼女はたいへん有名な詩人になっていましたから、色々な人がエラから影響を受けました。
Napoleon Hill ナポレオン・ヒルの“Think and Grow Rich” 『頭を使ってお金持ちになろう』1937年初版本のCHAPTER 12 THE SUBCONSCIOUS MINDには彼女の次の詩が引用されています。
You never can tell what your thoughts will do
In bringing you hate or love;
For thoughts are things, and their airy wings
Are swifter than carrier doves.
They follow the law of the universe—
Each thing must create its kind;
And they speed o’er the track to bring you back
Whatever went out from your mind.
[You Never Can Tell]
あなたには決して分からない 思ったことがどうなるのか
もたらされるのが憎しみなのか愛なのか
思いは物とおんなじ 思いにはフワフワした羽が有って
伝書鳩よりも早く飛ぶのだから
思いは宇宙の法則に従うのだから
どんな思いも必ずそれと同じ実体となる
その実体はものすごい速さであなたを連れ戻す
あなたの心から出た思いの元へと
[あなたには決して分からない]
ナポレオン・ヒルは思いが潜在意識に留まってマグネットや設計図の役割を果たして、実体となって現れると主張するのにこの詩を援用しています。
井上ひさしが朝日賞を受賞した際のスピーチにもエラが登場しました。
「笑いで涙を減らしたい」
中学三年の秋、私を仙台の施設で預かってくれたカナダ人の修道士が、エラ・ウィーラー・ウィルコックスというアメリカの女性大衆詩人の「ソリチュード(孤独)」という短い詩を教えて下さいました。英語の発音に自信がありませんので、私の訳で申し上げます。
この地球は涙の谷
悩みごとや悲しいことでいっぱいだ
そこで喜びはどこからか借りてこなくてはならぬ
その借り方は—あまり有効な方法ではないが、しかしこの方法しかないので、あえていうが—とにかく笑ってみること
笑うことで喜びを借りてくることができる
悩みごとや悲しみは最初からあるが、喜びはだれかが作らなければならないという詩です。この喜びのパン種である笑いを作り出すのが私の務めです。時に不発だったり、時に間に合わなかったり、なかなかうまくは行きませんが、これからも笑いをコツコツ作ってゆく決心です。そのことでこの世界の涙の量を一㌘でも減らすことができれば、こんなうれしいことはありません。
[2001年1月31日付け朝日新聞朝刊]
この『エラ・ウィーラー・ウィルコックスと毎日を生きる』は、彼女の大量の詩とエッセイから抽出されたエラのエッセンスともいうべき内容になっています。366の詩とエッセイひとつひとつが、毎日まいにち私たちに気づきを与えてくれます。
ひとりでも多くの方がエラからインスピレーションと生きる勇気と力を与えてもらえますように。
匠 健