いまや国民の大半が手にしているスマートフォン。
そのスマートフォンの中の世界、『ソーシャルゲーム』の世界を描いた共著作品がついに登場!
1作品約15分で読めるライトな仕上がり。
通勤・通学・空いた時間に、様々なソーシャルゲームの世界へと旅立ちましょう!
◆内容紹介◆
・『SociaI』烏丸朔馬
・『お館さま!』椿坂悠季
・『オーシャンズ!』くー。
・『世界の片隅でおやつを食べる』薬師カヤ
・『ALBA』 小畑 志歩
・『ソーシャルゲームの王子さま』マンジャーノかまぼこ
・あとがき
◆立ち読みコーナー◆
そうこうしているうちに、本当に駅についてしまった。しかも、三代儀さんが少しだけ足早になったせいで、距離が先ほどより開いているのに気づく。
「おいおい、ここで見失うわけにはいかないよ……!」
彼女の髪の赤を目印に、人ごみをかき分け懸命に彼女の姿を追う。驚くべきことに、彼女はなんとホームではなく、立ち入り禁止の柵の向こうへと進んでいった。
何かの事件に巻き込まれているのだろうか。不良グループに脅されて、今は使われていない駅の敷地内に呼ばれたのだろうか。
嫌な想像しかできなかったが、気がつくと僕は三代儀さんのあとを追って柵を乗り越え、階段を下りていた。きっとその先に、非日常への糸口を見つけたような気がしたから、だと思う。
僕を変えてくれる、なにか。
その『なにか』は、やがて僕の眼前に現れた。
「なんで、立ち入り禁止の向こう側に電車が……?」
眼前には、利用者がいないはずの駅と、乗客がいないはずの電車が見えた。
どういうことだ?と混乱する思考をどうにか抑えながら、僕はひとつだけ確信できた。
「三代儀さんは、この電車に乗ったんだ」
『お待たせしました。3番線から、ソシア行きの電車が発車いたします』
「ソシア……?そんな駅名、聞いたことないよ」
でも、聞いたことない場所だからこそ、俺の胸には妙な昂揚感が生じていた。
「行かなきゃ!」
電車賃を払ってまで後をつける気力もない、なんてさっきは思っていたが、前言撤回だ。今はただ、この電車がどこに続いているのか、三代儀さんがその先で何をしているかが気になって仕方ない。
少なくとも、あのタイクツなクラスで過ごす日々とは桁違いの面白さだ!
そう思うや否や、僕は行き先不明で正体不明、奇妙奇天烈な電車に駆けこみ乗車をした。
烏丸朔馬『SociaI』より
※本作品は小説形式の共著作品となっております。
※厳密な定義では、ソーシャルゲームとは『ウェブブラウザを使用したウェブアプリ』のことを指します。
しかし、日本では一般的にスマートフォンを使用してプレイする『ネイティブアプリ』のことをソーシャルゲームと呼称するため、
本来の定義とは異なる形で言葉を使用していることをご了承ください。
juugohundeyomerusumahononakanomonogatari (Japanese Edition)
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