「わきがどめの匂い」が出版された。「ダイアル余波」と名乗るペンネームを使って活動している実在しない作家が書いた。その架空の著書をめぐってドキュメンタリーにみせかけ、書かれているモキュメンタリーが本書である。
誰かが普通のことを妙にやっている――。
読みたがられる「本」とは何か。
人の秘密を誰もが欲しがっている。
直筆で書かれた顔見知りの日記を覗き見したときのスリリングさ加減。世に出回らない創作物の最高傑作は日記なんじゃないかと思うことがある。
金になる文章とは「父親に仕送りを貰うため」に書くような文言かもしれない。
出世したければ、上の者にかわいがられることだ。
ランダムな記憶の要素を繋ぎ合わせる知覚を再現するのに、あらかじめ創作した物語をカットアップを用いて構築しなおした。
―上に記した見取り図をもとに再編集した小説―
(※フィクションであり、日記ではありません。あくまでも創作における見取り図です)
路上――それを描くとは“社会に愛想をつかした”あらゆる人種の人々の声のこと。
死のぬくもりに触れると、思い出したかのように服を脱ぎたくなる。
西か東か。好きな場所まで。好きなものを着て。好きな唄を口ずさんで。どこへでもいっちまえばいい。
さあ! 歩こう。だせる限りの大声をはりあげて。
いくぜ。ハプニングの始まりだ――。
紙の書籍とキンドルの大きな違いはなんだろう。
新書や文庫本、単行本を買えば「物品」として自分のものになる。かたやキンドルはデータを買うという感じがある。ならば、データとしての小説をどのようにして書いたらいいのだろうか。
端末に関しても頭を悩ませた。ペーパーホワイトは紙とおなじような感覚で読むことができるが、やはり紙とはなにかが違う。
おなじ紙でもコピー用紙に印刷したPDFを読むのと、単行本のような媒体で文字を読むことでは多少の違いがでる。情報の入ってきかたが微妙に異なるんだ。
このズレが電子書籍を媒体とする情報の未来だ。媒体がかわれば言語感覚はかわる。
こと小説に関していえば、キンドルで紙の本とおなじように文章を綴っても違うんじゃないかと思った。
視覚的に縦書きと横書きがあるが、迷わずに横書きを用いた。ペーパーホワイトの横書きが「データ感」が強くて未来的に思えたからだ。
紙の媒体で読んだ小説が「思い出」として記憶に残るものだとしたら、キンドルのような電子書籍小説には「閃き」に近いもののほうが相性がいいのではないだろうか。
日本では独自の言語感覚が育っている。小さな携帯画面で読む「ケータイ小説」はなにかドラッグ的な常用性を連想させる。そこまで密室ではないにしろ、小説としての電子書籍も感覚としては携帯小説寄りだと思っている。
試行錯誤はしたが本書で公開した小説がひとつ、「データ小説」としての筆者のやり方だ。
不謹慎な話だが。たとえば廃墟にいって、ホラー作品をある一室にひとりづつ交互にいき、5%づつ読んで戻ってくる罰ゲームなんかも面白いかもしれない。あたらしい小説の未来はそんな物理的空間を移動する遊びに触発されて生まれる要素もはらんでいる。
キンドルにはフロントライトが搭載されている。薄暗い場所や、まっ暗闇の空間でも本を読めるということだ。そして、キンドルをはじめ各種端末には読書をするための機能性がすぐれている。
おもしろくなりそうだ。いいじゃん。電子書籍。キンドル。アマゾン。
目次
・著者プロフィール
・ビート・レター
・わきがどめの匂いをかいで
・あとがき
「わきがどめの匂いをかいで」発売記念!
2013.年内中「99円セール」。2014年から通常の「150円」に値札を戻します。
Smell the body odor stopper (Japanese Edition)
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