musyonogimuwakotobanoasobikashinnsobann: hyouronnetusei (Japanese Edition)

この本の中で著者は「無償の義務」について考えたことがあるのか？　と問いかけている。何人の人が―考えている」と答えられるのか。まず著者は、典型的な二人をあなたの前に示す。一人はシェクスピアの「ハムレット」、いま一人は「忠臣蔵」の大石内蔵助である。この本の表題のエッセイの示されている独特な視点が、二十年間多岐に亙って書かれた文集の源泉である。著者は普通の評論、エッセイのような分析から自己主張の方法を採らない。先ず、ひたすら対象を描こうと努めている。だから、著者を知る人、知らぬ人から読後、歯に衣着せぬ姿勢に共感と「快哉！」と読後感を寄せられた。その著者は「自然は言葉も沈黙も知らない。人間はものを思う存在だ」と先人の言葉を記しながら、架空の〔木偶さん〕と〔風来さん〕を登場させて、――自然さん、ひどいよ」と東日本大震災に対して、憤ることも出来ず、筆者とともに黙祷を捧げている。
今回、平成26年発売の著書に、１６歳の時に謄写印刷して三ページの小品「邦江」、音楽について初めて書いた「音、それは音……、そして心」、さらに喜劇王・古川ロッパを追悼した「ロッパ大人」の三篇を追加して収録した。
現在、86歳の著者の作品歴は長編小説3編、２１歳の時の初めての書き下ろし長編小説「風蝕」380枚。新劇の女優と新進の男優のナイーブな悲恋物語。2つめは「敬虔な怒り」800枚。妻を寝取られた男と寝取った男の壮絶な、しかし、怒りを敬虔に高めた稀有な信頼の物語。3つめは８３から８４歳にかけて書き上げた1350枚の大長編小説。父かもしれない、娘かもしれない中年の男性と１９歳の少女の悲劇。
そのほかに、昨2015年12月27日、いまから60年近く前、19歳から26歳までに同人雑誌、月刊誌に発表した小説、戯曲集「天女と死骸」(2012年5月刊行)を底本にした電子書籍を出版した。「あとがき」の代りの「補」として著者の生い立ち、文学の歩みを「近づく過ぎ去りし私」として一編の作品しと発表している。

本著おさめられた「現在という過去からの虹」は、101歳の小学校の恩師から、逢いたいとの電話を貰って、お尋ねして帰宅するときの握手を求められた先生の掌の暖かさに感激したことがかかれている。また新劇の文学座の亡き名女優杉村春子について、「新劇で女形を演じた女優」と誰一人言い切らなかった杉村の演技を評した。ピアニスト、マルタ・アルゲリッチを絶賛。初めて音楽を聴き始め十年近くモーツァルトを、そして指揮者・ブルーノ・ワルター、カール・ベームを中心に聞き始めた。「音、それは音、……そして心」ではカール・ベーム二ついてわずかしか触れていなかったが、NHKホールで来日演奏、また、その後の来日の演奏を聴いて、ウィーン・フィルファーモニー管弦楽団を指揮するベームは一度、自分の体内にその音を吸収して、彼の体から素晴らしい楽音が発するのを見、感じた。いまでも、ブラームスの「交響曲第一番、ベートーベンの「運命」「田園」を見たり聞いたりするたびに、あの時の感激がよみがえる。「本著おさめられた「現在という過去からの虹」は、101歳の小学校の恩師から、逢いたいとの電話を貰って、お尋ねして帰宅するときの握手を求められた先生の掌の暖かさに感激したことがかかれている。また新劇の文学座の亡き名女優杉村春子について、「新劇で女形を演じた女優」と誰一人言い切らなかった杉村の演技を評した。ピアニスト、マルタ・アルゲリッチを絶賛。初めて音楽を聴き始め十年近くモーツァルトを、そして指揮者・ブルーノ・ワルター、カール・ベームを中心に聞き始めた。「音、それは音、……そして心」ではカール・ベーム二ついてわずかしか触れていなかったが、NHKホールで来日演奏、また、その後の来日の演奏を聴いて、ウィーン・フィルファーモニー管弦楽団を指揮するベームは一度、自分の体内にその音を吸収して、彼の体から素晴らしい楽音が発するのを見、感じた。いまでも、ブラームスの「交響曲第一番、ベートーベンの「運命」「田園」を見たり聞いたりするたびに、あの時の感激がよみがえる。
「観て止まっている動き～白樺の美術～実篤と劉生」は、山口大学大学院「東アジア研究」巻7-200.3(「美術史としての『白樺』にみる西洋美術認識」西村修子)の末尾の「注」の24項目の二番目に、『白樺派の美術に関する先行的研究』に記載されている。

「烏とバッタの悲しみ」は著者の実弟、宮入義之の死へ歩む心痛な思いを綴っている。その法事の帰途、逗子から北鎌倉で下車して、東慶寺の限りなく尊敬する小林秀雄の墓地を訪れ、詣でている。

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