無我夢中の作業だった。それだけに蘇った風景にはひとしお愛着がある。 ここには山川草木に神がい
て、早苗は五月雨にかしこみ、色づいた稲穂が頭をたれて天を、自然を、神を敬う、静かで平和な時が刻ま
れている。
言わず誇らず続けた作業は、人が自然の一員であることを教え、ものを見る心を養った。そんな、日常の些細な出来事を写生したのが本歌集である。優美でも、理知的でも観念的でもない。哲学的でもないし、繊細さに欠けているかもしれない。とはいえ、素直な心の眼で描写したつもりである。
かくのごとく、山中は静かで平和である。しかし、光には影がつきまとう。平和であると思うのは一方で
人間社会が葛藤だらけであることを物語っている。語れるほどの人生ではないが、人を愛し、人に裏切ら
れ、そして大切な人との別れも、嫌な病も人並みに味わっている。
思い起こせばその体験も流されて、淀みに浮かぶのが常であった。いつも踊らされて、踊るだけ。しかも
隠れるように。やっぱり吾は木偶である。
そんな心情が見え隠れする歌集である。
dekunokoe: okasusumukasyuu (wagunebunko) (Japanese Edition)
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