《俺とおまえのあいだには、夏場はいつも、グラス一杯の麦茶がある。回し飲みして、グラスが空になったら、「んじゃあそろそろ帰るわ」、とおまえが切り出すような、そういう間柄だった。
硝子と水を経る屈折が、次第しだいに硝子のそれだけになってゆき、おまえの顔が少しずつクリアーになっていく。けれども俺が、屈折のまるでないおまえの横顔を見ることができなくなってから、いったいどれだけの時間が経ったことだろう?》(本文より)
mugichagoshinosora (Japanese Edition)
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