【作品紹介】西暦一九四五年、大戦末期、新潟県は社会主義革命によって、共産主義国として独立した。敵対する日本国は憲法改正のうえで核武装し、新潟国への最終攻撃として核攻撃を遂行する。新潟市において終戦の報告をうけた《余》、水城守は、爆撃された故郷長岡市にて自決するために、新幹線に搭乗した。水城守は、恋人である港の死により、人間の魂魄がみえる能力を獲得しており、嘗て、魂魄となった港との恋愛を経験していた。港との青春を謳歌した、爆心地長岡市に逢着するとともに、水城守の胸中では、港や傍輩との青春の記憶が髣髴とされる。同時に、敗戦した長岡市では、自殺を決行するために、《百人の死霊と対話》することとなる。新潟県が日本から独立したという、架空の現代において、《余》の青春と生滅の哲学が交錯しながら、生きること、死ぬことの意味を追究する、偽史SF青春小説。
【補筆】本作は、西暦二〇〇四年、著者二十一歳で執筆したもので、《天野千影》名義で第百回文學界新人賞一次選考を通過した作品に加筆訂正したものです。
【原稿用紙換算枚数】一〇一枚
【著者紹介】
九頭龍一鬼(くずりゅう かずき)。一九八三年新潟県生まれ。中卒。十代で統合失調症に罹患し、鉄工所に勤務しながら小説の執筆をはじめる。カドカワエンタテインメントNEXT賞で最低ランクの《E+》判定をいただきながら、文學をあきらめきれず、文學界新人賞一次、二次選考、群像新人文学賞小説部門一次選考通過。二〇一五年より、KDPで作品の発表をはじめる。中卒、統合失調症、才能皆無、漢検五級からのノーベル文學賞受賞を目指して、四苦八苦しながら執筆中。愛読する作家はおもに賀川豊彦、丸山健二、小林恭二、ジェイムズ・ジョイス、レーモン・クノー、ホルヘ・ルイス・ボルヘスなど。文壇最底辺からはしりだした無鉄砲が――もしかしたら――世界の文豪になるまでの悪戦苦闘の足跡を公開中。最後に、小説執筆時の座右の銘を。
《世界は一冊の書物に至るために作られている》――マラルメ
Mujou Hyakusen (Kuzuryu Bunko) (Japanese Edition)
Sobre
Baixar eBook Link atualizado em 2017Talvez você seja redirecionado para outro site