江戸時代盛期、京都は祇園社(八坂神社)の茶店に、三代にわたって名物女将の歌人がいました。
第一代は祇園梶子。
幼少期より歌才をあらわし、その口吟む歌は評判になって、全国津々浦々から客が訪れたといいます。
客の多くは男でした。あるいは恋歌を以て言い寄り、あるいは詠草を都土産に乞いました。
いちいちに優雅な歌で対応した梶子の歌才は、小野小町の再来の如く、和歌の名家冷泉家の当主為村にも愛されるほどでした。
二代目は梶子の養女、百合子。
母の茶店と和歌の才覚を引き継ぎ、歌集『小百合葉』に150余首の佳詠を遺しています。
京を訪れた江戸の武士との間に娘をもうけ、江戸への同行を断って、女手一つで娘を育てました。
この娘が三代目の町子、のち池大雅に嫁し、自らも画家として名を成した池玉瀾です。
画業のかたわら母の茶店を継いで営み、時には店にも出て、和歌も能くしました。詠草『白芙蓉』を遺してます。
本書はこれら祇園三女の詠草を集めた『祇園三女歌集』(明治四十三年祇園風流刊)に最小限の補訂を加え、詞書と歌の口語訳を附して電子書籍化したものです。
Gion Sanjo Kasyuu (Japanese Edition)
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