konagonanikudakaretamirainotameni (Japanese Edition)
Sobre
《コップは水を待っている。この島の、ありとあらゆるもののなかで、いちばん渇いているものがコップである。ひとしずくの水が蛇口からこぼれる。青い太陽を中心に、バルブは公転する。底についてしまえば一見おとなしく見えるが、コップの縁からあふれだすとき、その力はふたたびあらわになる。このように、渇いていたものを溺死させるのは、いともたやすいことだ。そうして、それだけでは満足できない。握るという呪いをふりほどいてしまえば、いくつかの空欄ののちに、シンクとの華麗な接吻、快楽、そののちに、ぷっつんと糸は切れて水たまり、水は透明な肉片を置き去りにして排水溝へと引いてゆく。ならば、この世界の排水溝はどこにあるのだろう? 日本から、フランスから、モルディヴから、インドから、イラクから、そうやって流れ出た水の集まるところを三途の河と呼ぶのならば、死とは決して身を翻すことのない抜殻であり、かつ、死してなおこの抜殻は散佚することがないと見える。》(本文より)
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