鎌倉時代の歌人、藤原定家の家集『拾遺愚草』のうち『関白左大臣家百首』の注釈を収録。釈文(読み物)の形で、通釈(口語訳)、典拠(本歌・参考歌など)、語釈、主題や技法についての解説をそなえている。難解な定家の歌を明快に解き明かしつつ、詞の微妙なニュアンスの読み取りにも細心の注意を払った。シリーズ全20巻(予定)の第15巻。
貞永元年(1232)、関白左大臣九条教実の主催になる。定家七十一歳、最後の百首歌となった。「桜」「月」「紅葉」「忍恋」といった、古来最も重んじられた歌題でそれぞれ五首ずつを詠ずるという珍しい組題である。定家の歌は従来の詠風と異なり、抒情的な作が多く、題詠の流儀にこだわらない自由自在さがある。もっとも、恋歌には相変わらず妖艶な作が見られ、力倆の衰えを感じさせない。「うへしげる垣根がくれのを笹原知られぬ恋はうきふしもなし」、「ももしきの外重をいづるよひよひは待たぬにむかふ山の端の月」、「吹きはらふ紅葉のうへの霧はれて峰たしかなる嵐山かな」。
Kanpaku Sadaijin-ke Hyakusyu Zensyaku Syuuigusou Zensyaku series (Japanese Edition)
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