鎌倉時代の歌人、藤原定家の家集『拾遺愚草』のうち『内大臣家百首』の注釈を収録。釈文(読み物)の形で、通釈(口語訳)、典拠(本歌・参考歌など)、語釈、主題や技法についての解説をそなえている。難解な定家の歌を明快に解き明かしつつ、詞の微妙なニュアンスの読み取りにも細心の注意を払った。シリーズ全20巻(予定)の第12巻。
建保三年(1215)、内大臣九条道家主催の歌会に詠進された百首歌である。定家五十四歳。久々の百首歌詠進に定家は老練の技で応え、新古今風とはやや異なる新風をも試みている。殊に恋歌の秀逸が目立ち、多くが勅撰集や自歌合に採られた。定家の到り着いた詩法の極致を見せる恋歌が並んで圧巻である。「白玉の緒絶の橋の名もつらしくだけておつつる袖の涙に」「袖のうらかりにやどりし月草のぬれてののちをなほやたのまむ」。
Naidaijinke Hyakusyu Zensyaku: Syuuigusou Zensyaku series 12 (Japanese Edition)
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