『辞書なしで超速読月刊英語ニュース For Reading』2016年7月号 INTRODUCTION
このたびは、本書に関心をお寄せいただきまして誠にありがとうございます。
本書が素材にしている英語ニュースは、世界のあちこちで起こっている現実を伝えるものです。しかし、よく見てみると、世界の動きには少なからず繋がりがあります。
例えば、中東やアフリカを中心にした政情不安は、抗議やデモ、さらにはテロ攻撃のような恐怖に繋がります。人々の恐怖は自国を逃げ出す難民に繋がります。難民は受け入れる国の国民感情の不安に繋がります。国民感情の不安は政府に対する不満に繋がります。政府への不満は政権の不安定に繋がります。政権の不安は国内の経済の弱体化に繋がります、経済の弱体化は貧困と格差拡大に繋がります。貧困や格差拡大は絶望感やテロリズムに傾く人々の増産に繋がります。テロリズムが拡大すれば国の政情不安に繋がります。
政情不安は・・・
このように時事英語は、世界の出来事を見えない糸で繋げている壮大な現実のドラマなのです。
本書が取り上げている英語ニュースは世界の出来事のほんの一部でしかありません。しかし、上記のような観点で世界を見れば、本書の数のトピックからでも繋がりを考えていけばその何倍、何十倍もの数のトピックにも広がっていき、最後は世界全体をカバーするのです。
英語学習の素材として時事英語ほど素晴らしくて楽しいものはありません。
著者は、時事英語という壮大な現実のドラマを通して読者の皆様の英語のキャリアを強化するお手伝いをするために翻訳・執筆しています。
本書は、不明な単語が出るたびにいちいち辞書で意味を調べて読む各駅停車型ではありません。読み始めたら終点まで辞書なしで一気に読む超特急型です。
これを可能にしているのが、サイトトランスレーションと呼ばれる英文速読法を時事英語の速読、つまり記事の内容を素早く把握するために若干アレンジした日本語訳です。
本書の効果的な活用方法
本書では、2つの方法で英文記事を読みます
(1) サイトトランスレーションで記事の要点を把握する
"Japanese Prime Minister Shinzo Abe's move 日本の安倍晋三総理の動きは on Wednesday 1日水曜日の to delay a 2 percentage point hike 2%の増税を延期するための in the national sales tax 国の消費税での was widely anticipated 広く予想されていたことであった given the sluggish state of the economy. 国内の停滞する経済を考慮すると What that means for Japan's creditworthiness これが日本の信用度に関して意味するものは is more fuzzy. いっそう不鮮明であるということだ"
(以降省略)
短いフレーズでも、「何がどうした」という意味をなしていることがお分かりと思います。これを一読するだけで例えば「日本の景気を考慮すれば、2%の増税の延期は予想されたことだ。これで日本の信用度は不鮮明になった」という要点が把握できます。「安倍総理の動きは・・」はこの段落の要点ではありませんので外します。
(1)では、このような感じで記事全体を読み進め、記事の要点をしっかり把握します。
「英語は頭から読め」というのも正しい理論です。しかし本書では、何でもかんでも頭から読むことは避けています。
例えば、
"What that means for Japan's creditworthiness" ですが、
従来のサイトトランスレーションであれば、
What /that means /for /Japan's creditworthiness/
何の/ 意味があるのか/日本の信用度に/
上記で説明したように、フレーズであっても基本的には「何がどうした」が一読で理解するためには、このフレーズはこれ以上細かく分割していません。
"What that means for Japan's creditworthiness"
「これが日本の信用度に関して意味するものは(何か)」後の文を考慮すると「何か」の訳は不要です
is more fuzzy. いっそう不鮮明なことである
後ろから読むこともありますが、短いフレーズなので一気に目の中に入ります。無理に頭から訳さなくても意味は分かります。あまりに細かく切り刻むと意味を間違えるリスクが出てきます。
ネイティブは頭から読むといわれますが、何でもかんでもネイティブの真似をする必要はありません。日本人は学校や塾で英文を後ろから上手に訳す素晴らしいテクニックを持っていますので活用すればいいのです。日本人はネイティブではありません。日本人には日本人に最適な手段があるのです。
さて、(2)に移ります。
(2) (1)での経験を生かして、[Full Text](英語のみの全文)をサイトトランスレーションします。(スラッシュ記号[/]が挿入されています)
例えばこんな感じで頭の中で読み進めて行きます。
"Japanese Prime Minister Shinzo Abe's move(頭の中で:日本の安倍総理の動きは) /on Wednesday (頭の中で;水曜日の)/to delay a 2 percentage point hike (頭の中で;2パーセントの上昇を延期する)/in the national sales tax(頭の中で;消費税で)/ was widely anticipated(頭の中で;広く予想されていた) / given the sluggish state of the economy.(頭の中で;経済の停滞状態から考慮して)(以下略)
読者様が頭の中で考える訳は、本書に拘る必要はありません。
たとえば、
安倍晋三総理⇒「安倍総理」でもOK。
国の消費税⇒「消費税」でもOK。
経済の停滞状態から考慮して⇒「減速する経済からみて」でもOK。
いずれも意味は分かります。
このようにさらに素早く訳す方法については、本書を読むにつれてその「こつ」が分かってきます。
訳文は、(1)にあるように原文に目を通して、瞬時に次の日本語訳で意味を理解するために横書きになっています。目の大きな移動を伴う左右対訳や上下対訳はリーディングの集中力を失わせるため本書では除外しています。本書の目的である日本語の記事を読むようにスラスラと英文記事を読むことは横書きでしか実現できないからです。
本書は、紙の本のように重くかさばることもなく、深夜でもクリック一つで入手でき、値段も安く、文字のサイズも自由に変えられる電子ブックの特徴を最大限に生かしています。本書をお手元のPC,スマートフォンやタブレットに保存して、無料の電子ブックリーダーをインストールすれば、いつでもどこでも気軽に読むことができます。
「継続は力なり」です。英語力は一朝一夕では身につきません。近道を選ばず、地道に、そして正面から堂々と本書と向かい合ってある程度の時間をかけてでもマスターすることが、生涯のキャリアともなる最強の英語力を身につけることに結びつくものと思っております。
「千里の道も一歩から」まずは、本書で英語を生涯のキャリアとするための第一歩を踏み出して下さい。
文責:
著者:細見敏夫
このたびは、本書に関心をお寄せいただきまして誠にありがとうございます。
本書が素材にしている英語ニュースは、世界のあちこちで起こっている現実を伝えるものです。しかし、よく見てみると、世界の動きには少なからず繋がりがあります。
例えば、中東やアフリカを中心にした政情不安は、抗議やデモ、さらにはテロ攻撃のような恐怖に繋がります。人々の恐怖は自国を逃げ出す難民に繋がります。難民は受け入れる国の国民感情の不安に繋がります。国民感情の不安は政府に対する不満に繋がります。政府への不満は政権の不安定に繋がります。政権の不安は国内の経済の弱体化に繋がります、経済の弱体化は貧困と格差拡大に繋がります。貧困や格差拡大は絶望感やテロリズムに傾く人々の増産に繋がります。テロリズムが拡大すれば国の政情不安に繋がります。
政情不安は・・・
このように時事英語は、世界の出来事を見えない糸で繋げている壮大な現実のドラマなのです。
本書が取り上げている英語ニュースは世界の出来事のほんの一部でしかありません。しかし、上記のような観点で世界を見れば、本書の数のトピックからでも繋がりを考えていけばその何倍、何十倍もの数のトピックにも広がっていき、最後は世界全体をカバーするのです。
英語学習の素材として時事英語ほど素晴らしくて楽しいものはありません。
著者は、時事英語という壮大な現実のドラマを通して読者の皆様の英語のキャリアを強化するお手伝いをするために翻訳・執筆しています。
本書は、不明な単語が出るたびにいちいち辞書で意味を調べて読む各駅停車型ではありません。読み始めたら終点まで辞書なしで一気に読む超特急型です。
これを可能にしているのが、サイトトランスレーションと呼ばれる英文速読法を時事英語の速読、つまり記事の内容を素早く把握するために若干アレンジした日本語訳です。
本書の効果的な活用方法
本書では、2つの方法で英文記事を読みます
(1) サイトトランスレーションで記事の要点を把握する
"Japanese Prime Minister Shinzo Abe's move 日本の安倍晋三総理の動きは on Wednesday 1日水曜日の to delay a 2 percentage point hike 2%の増税を延期するための in the national sales tax 国の消費税での was widely anticipated 広く予想されていたことであった given the sluggish state of the economy. 国内の停滞する経済を考慮すると What that means for Japan's creditworthiness これが日本の信用度に関して意味するものは is more fuzzy. いっそう不鮮明であるということだ"
(以降省略)
短いフレーズでも、「何がどうした」という意味をなしていることがお分かりと思います。これを一読するだけで例えば「日本の景気を考慮すれば、2%の増税の延期は予想されたことだ。これで日本の信用度は不鮮明になった」という要点が把握できます。「安倍総理の動きは・・」はこの段落の要点ではありませんので外します。
(1)では、このような感じで記事全体を読み進め、記事の要点をしっかり把握します。
「英語は頭から読め」というのも正しい理論です。しかし本書では、何でもかんでも頭から読むことは避けています。
例えば、
"What that means for Japan's creditworthiness" ですが、
従来のサイトトランスレーションであれば、
What /that means /for /Japan's creditworthiness/
何の/ 意味があるのか/日本の信用度に/
上記で説明したように、フレーズであっても基本的には「何がどうした」が一読で理解するためには、このフレーズはこれ以上細かく分割していません。
"What that means for Japan's creditworthiness"
「これが日本の信用度に関して意味するものは(何か)」後の文を考慮すると「何か」の訳は不要です
is more fuzzy. いっそう不鮮明なことである
後ろから読むこともありますが、短いフレーズなので一気に目の中に入ります。無理に頭から訳さなくても意味は分かります。あまりに細かく切り刻むと意味を間違えるリスクが出てきます。
ネイティブは頭から読むといわれますが、何でもかんでもネイティブの真似をする必要はありません。日本人は学校や塾で英文を後ろから上手に訳す素晴らしいテクニックを持っていますので活用すればいいのです。日本人はネイティブではありません。日本人には日本人に最適な手段があるのです。
さて、(2)に移ります。
(2) (1)での経験を生かして、[Full Text](英語のみの全文)をサイトトランスレーションします。(スラッシュ記号[/]が挿入されています)
例えばこんな感じで頭の中で読み進めて行きます。
"Japanese Prime Minister Shinzo Abe's move(頭の中で:日本の安倍総理の動きは) /on Wednesday (頭の中で;水曜日の)/to delay a 2 percentage point hike (頭の中で;2パーセントの上昇を延期する)/in the national sales tax(頭の中で;消費税で)/ was widely anticipated(頭の中で;広く予想されていた) / given the sluggish state of the economy.(頭の中で;経済の停滞状態から考慮して)(以下略)
読者様が頭の中で考える訳は、本書に拘る必要はありません。
たとえば、
安倍晋三総理⇒「安倍総理」でもOK。
国の消費税⇒「消費税」でもOK。
経済の停滞状態から考慮して⇒「減速する経済からみて」でもOK。
いずれも意味は分かります。
このようにさらに素早く訳す方法については、本書を読むにつれてその「こつ」が分かってきます。
訳文は、(1)にあるように原文に目を通して、瞬時に次の日本語訳で意味を理解するために横書きになっています。目の大きな移動を伴う左右対訳や上下対訳はリーディングの集中力を失わせるため本書では除外しています。本書の目的である日本語の記事を読むようにスラスラと英文記事を読むことは横書きでしか実現できないからです。
本書は、紙の本のように重くかさばることもなく、深夜でもクリック一つで入手でき、値段も安く、文字のサイズも自由に変えられる電子ブックの特徴を最大限に生かしています。本書をお手元のPC,スマートフォンやタブレットに保存して、無料の電子ブックリーダーをインストールすれば、いつでもどこでも気軽に読むことができます。
「継続は力なり」です。英語力は一朝一夕では身につきません。近道を選ばず、地道に、そして正面から堂々と本書と向かい合ってある程度の時間をかけてでもマスターすることが、生涯のキャリアともなる最強の英語力を身につけることに結びつくものと思っております。
「千里の道も一歩から」まずは、本書で英語を生涯のキャリアとするための第一歩を踏み出して下さい。
文責:
著者:細見敏夫