ーまえがきよりー
本書は、20世紀の重要なパーソナリティーであり精神科医師・心理学者であったアルフレッド・アドラーが説いた「人間知(人間知の心理学)」を本人の著書から紹介したもの。
「まだ人間は『人間知』に達していない」、とアドラーは語った。
アドラーは、わたしたちの人間知が低いのは、「生が孤立している」からだと説明する。
「己を知り、己を変えることが、人間にとって一番難しい」とアドラーは説いた。
アドラー心理学の核になる考え方は、「個人は常に目標に向かって努力している」というもの。フロイトが人間の行動の原因を過去の出来事に求めたのに対し、アドラーは目的論的な見方をした。それは、意識しているかどうかはともかく、人間は目標に突き動かされている、とする。
利己的なものであれ、社会的なものであれ、目標があると心は活気づき、絶えず目的を遂げようとする。今の自分はどういう人間で、将来どういう人間を目指しているのか、といった「物語」にしたがって、われわれは生活している。この物語のおかげで、いつも目標に向かって元気に生きていける―。
アドラーは、幼児期の経験がその後の人生に及ぼす影響を具体的に解明し、社会全体の利益につなげようとした。文化的にエリート主義者だったフロイトとは異なり、アドラーは次のような信念をもっていた。
「無知がもたらす弊害を考慮すれば、人間性を理解することは万人にとって不可欠の仕事であり、決して心理学者だけに任せるべきではない」と。
心理学に対する、このきわめて民主的なアプローチから必然的に生まれたのが「人間知」(人間知の心理学)であった。
人間の知性・知恵・知識、そして人間を知るための理解。
アドラーの「人間知」と呼ばれる学問を確立しようとする試みの意図とは。
人間が最高度の人間知に達する、とはどのようなことなのか。
アドラーの著作群の中でも最も評価の高い「人間知」(人間知の心理学)のアウトラインとなる言説を紹介する。
(kindle版のみ限定公開)
ningenti ningentinosinrigaku: ningenwosiruyuki (Japanese Edition)
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