著者からのご挨拶
私の学生時代の専門は「統計解析」です。病気をしたこともあってまともな職につけず、大学に奉職しました。1970年代半ばのことです。私の指導教官が品質管理の大先生であったこともあり、ごく自然にこの分野に入りました。
そこで見たものは、統計的方法そのものよりも「マネジメント」の重要性でした。製造工程が基本ではありますが、その上流の量産準備や設計開発プロセスがより重要で、また難しいことも知りました。私は大きな関心をもって、設計に代表される「思考プロセスの質の管理」に取り組みました。ソフトウェア、医療質安全、原子力安全などにも取り組みました。
こうして30年余が過ぎるころ、月刊誌『アイソス』編集部の中尾優作さんが、東大での定年を間近にした私から、いま私が持っているものを残そうと、土曜の午後に4時間にわたるロングインタビューを行いました。その模様はYoutubeで15回ほどに分けて公開されていると思います。中尾さんはまた、アイソスでの6回連載記事にまとめました。本書はその内容を転載するものです。
このころ私は、品質管理とは「一般化目的達成学」ではないかと思うようになりました。妥当な目的をを設定し、合理的に達成する方法論の体系という意味です。本書で、その一端が伝わればと思います。
付録に、私の東大での最終講義の模様を中尾さんがまとめた記事『東京大学最終講義』、私の学生時代から50代後半までの品質への取り組みをまとめたインタビュー記事『私の人生と品質論』、2013年発行の拙著『品質管理特別講義 基礎編』(日科技連出版社)の『第1話』をお付けします。これらから、品質管理の広さや深さを皆さまにお伝えすることができれば幸甚です。
Mokutekitassei no tame no kasikoi houhou sisutemukaisekikougaku no riron to jissen: tokubetufurokku ichi toukyoudaigakusaisyuukougi tokubetufuroku ni watashi … ichi wa (aisosu mukku) (Japanese Edition)
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