<はじめに>から
今は、激動の時代ですね。学生の大企業志向や公務員志向は根強いようですが、大手企業に入社できれば安泰という時代は終わりました。
パナソニック、日立、NEC、シャープといった大手家電メーカーでさえ、こぞって、何千億という赤字を出し、何千人という単位でリストラしたりします。しばらく前なら、考えられないことです。
中小企業も経営状況は厳しいです。大手企業と取引をしている企業はもちろん、直接一般顧客を相手にしている企業も、消費低迷する中で、売上減、経営不振に悩んでいる企業も多いです。
今では一番恵まれているようにみえる公務員も、税収減の影響から歳入が不足し給料を減らされていたり人員削減されています(とはいえ、やはり一番安定しているようです)。
今は、どのように働けばいいのか悩ましい時代です。特に、会社員の中には、ずっとこのまま会社員を続けるのか、それともいっそ独立起業してやっていくのがいいのか、悩む人も多いでしょう。かつての著者もそうでした。
とはいえ、独立起業は厳しいものです。うまくできるかどうかわかりません。独立起業時には、どうやって独立起業し事業を運営していくかを文字通り手探り状態でやっていかなければなりません。
その前には、自分は独立起業すべきなのか、独立起業ははたしてよいものなのかどうかを緻密に大胆に検討する必要があります。
本書は、そういった独立起業希望者を念頭において、実際、独立起業はよいものなのかどうかを、会社員と独立起業した人(以下、独立起業人と呼びます)の比較を通して、細かくあぶり出すことにしました。
やり方としては、主要なテーマを設定して、会社員と独立起業人が対談形式で対戦し、点数を獲得し勝負します。
登場人物は、以下の2人です。
会社員代表◇(ペンネーム)会社くん
B2B機器中堅メーカー勤務
営業マン 38歳
家族は、妻と子供1人(小学3年生女)
首都圏在住
独立起業人代表◇(ペンネーム)独立くん
マーケティングプランナー 38歳
広告代理店を経て3年前に独立。
いろいろな企業のマーケティング企画立案している。
自ら代表取締役、妻を取締役にして、会社を経営している。
家族は、妻と子供2人(小学1年生男、幼稚園年少女)
首都圏在住
2人は大学時代の友人。同じ文化系の部活で活動。大学卒業後も、たまに会ってお酒を飲みに行ったりしています。今回、会社員VS独立起業人をテーマに気軽に対談という設定です。
登場人物ですが、<会社くん>は著者の会社員時代がモデルで、<独立くん>は著者の独立3年後くらいがモデルになっています。10年ちょっとの会社員と15年ちょっと自分で会社やっていますので、著者が両方のモデルです。
両方とも著者がモデルといっても、完全に著者の独立起業3年後と一致しているわけではありません。その後の成果やエピソードは入れてありますし、ほかの人の要素や話も取り入れてアレンジしています。
各回の戦いでどっちが勝つかの審判も登場します。審判も著者で、これは今の著者の判断ですし、もちろんかなり主観的なものですから、異論のある読者の方もいらっしゃるでしょう。
というわけで、本書は1人芝居のようなものです。<会社くん>と<独立くん>の両方の経験があるからこそ、できるものです。
著者の現在の立位置は独立起業人です。<独立くん>にほぼ相当します。対戦する場所的にみれば<独立くん>のホームゲームのようなものです。勝負の結果は明白だと思います。多分今あなたが予想する通りです。
勝負は9回戦です。以下の◆ごとに勝敗を決定、勝ったほうが1点を獲得して、最後に点数が多いほうが勝ちとします。
1回戦 ●安定性
◆お金の心配
◆精神的安定性
2回線 ●収入
◆月収
◆ボーナス
◆生涯総収入
◆老後の入金
3回戦 ●仕事のおもしろさ、やりがい
◆仕事のおもしろさ
◆情熱をかたむけられる
◆ねばりがでてくる
◆自分のアイデアを実現できる
◆肩書きがかっこいい
◆ブランド力がある
◆人脈が増える
◆社内行事への参加
4回戦 ●ビジネスノウハウ、技術、テクニック
◆上司や先輩からいろいろ教えてもらえる
◆会社の資源を活用できる
◆行動力がつく
◆調整能力がつく
◆社会的マナーが身につく
5回戦 ●時間の使い方
◆時間の自由度
◆休みの取り方
◆通勤時間
◆長期休暇
6回戦 ●健康
◆どっちが過労
◆運動
◆食事
◆睡眠
7回戦 ●家族
◆家族と過ごす時間
◆家族サービス
◆家族の反応
8回戦 ●人間的なのは?
◆扱い
◆労働時間
◆福利厚生
9回戦 ●老後
◆お金の足りてる度
◆生きがい
◆友人・知人
<内容につきまして>
電子書籍は、書籍内容をバージョンアップしやすい形式です。盛り込んでほしい対戦項目や、もっと掘り下げたい内容があったら、レビューなどに書いてください。できるだけ対応してバージョンアップしていきたいです。
<本文サンプル>
◆お金の心配
独立くん(以下、独):1回線、いきなり安定性で、お金の話ですか!、オレとしては、仕事のおもしろさ当たりから入りたいところ。高校野球のように、先に点を取って、波に乗りたい。
会社くん(以下、会):独立くんの仕事に対する考え方はわかるし、人によって何を重視するか違いますけど、今の時代、やっぱり安定性でしょう。あと、そんなに勝負あせらなくていいよ。
独:わかりました。まあ勝負は決まっているので、先取点をあげましょう。
会:それでは、本題です。いきなり核心を突いた質問をしますが、安定しているの?
独:うわ。いきなりピッチャーがど真ん中ストレート投げるみたいな。サッカーの本田圭佑がワールドカップ予選突破した試合のPKで、ゴール真ん中蹴るような・・・。
会:回りくどい比喩はもういいよ。
独:はい、すいません。答えは・・・うーん、ノーコメント。
会:それあり? 警察尋問じゃないんだし、お金払って読んでくれる読者のためにも、正直に答えるべき。
独:ど真ん中のストレートだから、見逃したんだよ。勝負だからといって、全部の球、打つ必要ないでしょう。それと同じ。
会:なんか、うまく言い逃れした感じもしますが、まあ、いいでしょう。でも、実際、定期的に収入が入ってくるわけではないでしょう? 仕事は企業から受注するB2Bだよね?
独:そうだね。ぶっちゃけ、忙しいときもあれば、暇なときもある。
会:ということは、安定していないよね。
独:とは、一概には言えない。
会:どういうこと?
独:というのは、暇なときでも最低限必要なお金を稼げるようにしておくレベルでやっておくんだよ。逆にいえば、忙しいのにぎりぎりしか稼げないというレベルで仕事をやってはいけないということ。そういうレベルを、どうやってつかんで、維持していくかが重要。
会:なるほど。じゃあ、その最低限のレベルを保っている限り安定しているということになるね。
独:そう。だから忙しいとか暇とかは関係ない。よく「マーケティングとはしくみである」ということが言われるけど、それと同じこと。会社だろうが、個人だろうが、そういうしくみをうまく作れるかどうか。うまいしくみを作ることができれば安定する。
会:話としてはわかりやすいけど、実際、そんなうまいしくみを作れないもんじゃない? というか、作れる人は少ないのでは。
独:まあね。それに、うまいしくみを作れても、時代が変わったり、景気が悪くなったりすると、一挙に通じなくなったりする可能性もある。でも、それは、大きな会社だって同じでしょう。
会:そうかもしれないけど、小さい会社や個人事業のほうが、そういう基盤みたいなものは弱いよね。
独:だから、安定するには、大きな会社と付き合うというのもある。安定した受注が長期間見込めれば、安定しやすいから。一方で、B2Cビジネスとかだと、いっぱい個人客がついてくれれば大儲けできる可能性があるけど、閑古鳥なきはじめると、すぐにやばくなるよね。
会:B2B、B2Cとか、ビジネスの内容によって、どうやれば安定するかを工夫しないといけないということだね。
独:ちょっと細かい話だけど、個人事業を始めたばかりの全然安定性がない時期には、入金と出金を念入りに管理したほうがいい。B2Bは売上は売掛金になるから入金は遅くなる。月末締めで翌々月末支払いなんてましなほうで、下手をすると30万円以上は小切手とか言ってくる会社もある。仕事を1、2ヶ月やって、小切手を換金できるのが半年先だなんて、冗談じゃない感じ。
会:働きはじめて翌月には給料がもらええる会社員には、ちょっと考えれないよね。
独:うん。だから、そうならないように、初めて仕事をする相手には、支払い関係はきちんと確認しておかないといけない。取引先が小切手とか言ってきたら、現金でお願いしますと交渉するとか、仕事内容にもよるけど、仕事を受けないという選択もあるよね。
会:特に、独立したての時期に、仕事してもお金になるのが半年先じゃあやってられないね。
独:うん。資金に余裕があったり、その仕事にこだわりや将来性など、すごい魅力があればいいけど、そうでも
今は、激動の時代ですね。学生の大企業志向や公務員志向は根強いようですが、大手企業に入社できれば安泰という時代は終わりました。
パナソニック、日立、NEC、シャープといった大手家電メーカーでさえ、こぞって、何千億という赤字を出し、何千人という単位でリストラしたりします。しばらく前なら、考えられないことです。
中小企業も経営状況は厳しいです。大手企業と取引をしている企業はもちろん、直接一般顧客を相手にしている企業も、消費低迷する中で、売上減、経営不振に悩んでいる企業も多いです。
今では一番恵まれているようにみえる公務員も、税収減の影響から歳入が不足し給料を減らされていたり人員削減されています(とはいえ、やはり一番安定しているようです)。
今は、どのように働けばいいのか悩ましい時代です。特に、会社員の中には、ずっとこのまま会社員を続けるのか、それともいっそ独立起業してやっていくのがいいのか、悩む人も多いでしょう。かつての著者もそうでした。
とはいえ、独立起業は厳しいものです。うまくできるかどうかわかりません。独立起業時には、どうやって独立起業し事業を運営していくかを文字通り手探り状態でやっていかなければなりません。
その前には、自分は独立起業すべきなのか、独立起業ははたしてよいものなのかどうかを緻密に大胆に検討する必要があります。
本書は、そういった独立起業希望者を念頭において、実際、独立起業はよいものなのかどうかを、会社員と独立起業した人(以下、独立起業人と呼びます)の比較を通して、細かくあぶり出すことにしました。
やり方としては、主要なテーマを設定して、会社員と独立起業人が対談形式で対戦し、点数を獲得し勝負します。
登場人物は、以下の2人です。
会社員代表◇(ペンネーム)会社くん
B2B機器中堅メーカー勤務
営業マン 38歳
家族は、妻と子供1人(小学3年生女)
首都圏在住
独立起業人代表◇(ペンネーム)独立くん
マーケティングプランナー 38歳
広告代理店を経て3年前に独立。
いろいろな企業のマーケティング企画立案している。
自ら代表取締役、妻を取締役にして、会社を経営している。
家族は、妻と子供2人(小学1年生男、幼稚園年少女)
首都圏在住
2人は大学時代の友人。同じ文化系の部活で活動。大学卒業後も、たまに会ってお酒を飲みに行ったりしています。今回、会社員VS独立起業人をテーマに気軽に対談という設定です。
登場人物ですが、<会社くん>は著者の会社員時代がモデルで、<独立くん>は著者の独立3年後くらいがモデルになっています。10年ちょっとの会社員と15年ちょっと自分で会社やっていますので、著者が両方のモデルです。
両方とも著者がモデルといっても、完全に著者の独立起業3年後と一致しているわけではありません。その後の成果やエピソードは入れてありますし、ほかの人の要素や話も取り入れてアレンジしています。
各回の戦いでどっちが勝つかの審判も登場します。審判も著者で、これは今の著者の判断ですし、もちろんかなり主観的なものですから、異論のある読者の方もいらっしゃるでしょう。
というわけで、本書は1人芝居のようなものです。<会社くん>と<独立くん>の両方の経験があるからこそ、できるものです。
著者の現在の立位置は独立起業人です。<独立くん>にほぼ相当します。対戦する場所的にみれば<独立くん>のホームゲームのようなものです。勝負の結果は明白だと思います。多分今あなたが予想する通りです。
勝負は9回戦です。以下の◆ごとに勝敗を決定、勝ったほうが1点を獲得して、最後に点数が多いほうが勝ちとします。
1回戦 ●安定性
◆お金の心配
◆精神的安定性
2回線 ●収入
◆月収
◆ボーナス
◆生涯総収入
◆老後の入金
3回戦 ●仕事のおもしろさ、やりがい
◆仕事のおもしろさ
◆情熱をかたむけられる
◆ねばりがでてくる
◆自分のアイデアを実現できる
◆肩書きがかっこいい
◆ブランド力がある
◆人脈が増える
◆社内行事への参加
4回戦 ●ビジネスノウハウ、技術、テクニック
◆上司や先輩からいろいろ教えてもらえる
◆会社の資源を活用できる
◆行動力がつく
◆調整能力がつく
◆社会的マナーが身につく
5回戦 ●時間の使い方
◆時間の自由度
◆休みの取り方
◆通勤時間
◆長期休暇
6回戦 ●健康
◆どっちが過労
◆運動
◆食事
◆睡眠
7回戦 ●家族
◆家族と過ごす時間
◆家族サービス
◆家族の反応
8回戦 ●人間的なのは?
◆扱い
◆労働時間
◆福利厚生
9回戦 ●老後
◆お金の足りてる度
◆生きがい
◆友人・知人
<内容につきまして>
電子書籍は、書籍内容をバージョンアップしやすい形式です。盛り込んでほしい対戦項目や、もっと掘り下げたい内容があったら、レビューなどに書いてください。できるだけ対応してバージョンアップしていきたいです。
<本文サンプル>
◆お金の心配
独立くん(以下、独):1回線、いきなり安定性で、お金の話ですか!、オレとしては、仕事のおもしろさ当たりから入りたいところ。高校野球のように、先に点を取って、波に乗りたい。
会社くん(以下、会):独立くんの仕事に対する考え方はわかるし、人によって何を重視するか違いますけど、今の時代、やっぱり安定性でしょう。あと、そんなに勝負あせらなくていいよ。
独:わかりました。まあ勝負は決まっているので、先取点をあげましょう。
会:それでは、本題です。いきなり核心を突いた質問をしますが、安定しているの?
独:うわ。いきなりピッチャーがど真ん中ストレート投げるみたいな。サッカーの本田圭佑がワールドカップ予選突破した試合のPKで、ゴール真ん中蹴るような・・・。
会:回りくどい比喩はもういいよ。
独:はい、すいません。答えは・・・うーん、ノーコメント。
会:それあり? 警察尋問じゃないんだし、お金払って読んでくれる読者のためにも、正直に答えるべき。
独:ど真ん中のストレートだから、見逃したんだよ。勝負だからといって、全部の球、打つ必要ないでしょう。それと同じ。
会:なんか、うまく言い逃れした感じもしますが、まあ、いいでしょう。でも、実際、定期的に収入が入ってくるわけではないでしょう? 仕事は企業から受注するB2Bだよね?
独:そうだね。ぶっちゃけ、忙しいときもあれば、暇なときもある。
会:ということは、安定していないよね。
独:とは、一概には言えない。
会:どういうこと?
独:というのは、暇なときでも最低限必要なお金を稼げるようにしておくレベルでやっておくんだよ。逆にいえば、忙しいのにぎりぎりしか稼げないというレベルで仕事をやってはいけないということ。そういうレベルを、どうやってつかんで、維持していくかが重要。
会:なるほど。じゃあ、その最低限のレベルを保っている限り安定しているということになるね。
独:そう。だから忙しいとか暇とかは関係ない。よく「マーケティングとはしくみである」ということが言われるけど、それと同じこと。会社だろうが、個人だろうが、そういうしくみをうまく作れるかどうか。うまいしくみを作ることができれば安定する。
会:話としてはわかりやすいけど、実際、そんなうまいしくみを作れないもんじゃない? というか、作れる人は少ないのでは。
独:まあね。それに、うまいしくみを作れても、時代が変わったり、景気が悪くなったりすると、一挙に通じなくなったりする可能性もある。でも、それは、大きな会社だって同じでしょう。
会:そうかもしれないけど、小さい会社や個人事業のほうが、そういう基盤みたいなものは弱いよね。
独:だから、安定するには、大きな会社と付き合うというのもある。安定した受注が長期間見込めれば、安定しやすいから。一方で、B2Cビジネスとかだと、いっぱい個人客がついてくれれば大儲けできる可能性があるけど、閑古鳥なきはじめると、すぐにやばくなるよね。
会:B2B、B2Cとか、ビジネスの内容によって、どうやれば安定するかを工夫しないといけないということだね。
独:ちょっと細かい話だけど、個人事業を始めたばかりの全然安定性がない時期には、入金と出金を念入りに管理したほうがいい。B2Bは売上は売掛金になるから入金は遅くなる。月末締めで翌々月末支払いなんてましなほうで、下手をすると30万円以上は小切手とか言ってくる会社もある。仕事を1、2ヶ月やって、小切手を換金できるのが半年先だなんて、冗談じゃない感じ。
会:働きはじめて翌月には給料がもらええる会社員には、ちょっと考えれないよね。
独:うん。だから、そうならないように、初めて仕事をする相手には、支払い関係はきちんと確認しておかないといけない。取引先が小切手とか言ってきたら、現金でお願いしますと交渉するとか、仕事内容にもよるけど、仕事を受けないという選択もあるよね。
会:特に、独立したての時期に、仕事してもお金になるのが半年先じゃあやってられないね。
独:うん。資金に余裕があったり、その仕事にこだわりや将来性など、すごい魅力があればいいけど、そうでも