_ あらすじ _
逃避するかのように森に消え記憶をなくしてしまった娘に恋をした青年。惹かれゆく想いと共に複雑に心を抑えなければならない理由。その娘の過去に、青年と離れて暮らす兄との淡く悲しい恋物語が…。静かに甘いラブストーリー、清く美しい描写を堪能しながら恋の行方を一緒に彷徨う長編小説。
_ 冒頭 _
木漏れ日の中、娘は意識もうろうと目覚めた。
静寂な森の中、鳥のさえずりに耳をかたむけ、また眠りの世界へ…。
娘は、夢の中にいた。
夢の中の娘は、白い衣を身にまとい舞を舞っている。
柔らかな風が娘の舞を楽しむように、美しい衣を優雅になびかせて…。
夢の中の風はやみ、立ちすくむ自分に誰かが語りかけてくる。
周りを見回しても誰もいない、だが不思議と恐れはない。
むしろ問いかけてくる声が心地よく、近づいてくるその声に耳をかたむけると、身体が宙に浮くような感覚に酔い痴れた。
「舞を続けなさい…。」
娘は誘導されるように、夢の中で舞をつづけた。
どれくらい眠っていたのだろう。
気がつくと、白い衣を握りしめていた。
辺りは木漏れ日ではなく、赤い夕陽が木々と湖を照らしていた。
ここは、何処なのか…。
自分は誰なのか、何も思い出せないまま、美しい夕陽に茫然と心を奪われていた。
いつしか日も沈み、暗闇の中を吹く風におされるように、
娘は月の明かりをたよりにふわふわと歩き出した。
一晩中歩いていたのだろうか、我に返った娘は足の痛みと行くあてもなくさ迷う己に恐怖が走った。
その時、また耳元で誰かが囁いた様な気がした…
MAIZENNPENN: WASURETAIHODOKOIWOSHITAICHIZUNAKOINOYUKUEHA (Japanese Edition)
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