Curry and rice in Sri Lanka: A description of multiracial culture in Sri Lanka Lanka (Japanese Edition)

　漱石が「ライスカレを喫す」と明治時代に彼の日記に記したコロンボのカレー。　NHK・BSの「アジア食紀行」で紹介されたスリランカ料理。何度か再放送され、地上波の教育でも放送されました。あの番組が紹介したスリランカ料理はこの「南の島のカレーライス」がベースになっています。
　カレーと言う料理には多民族がかかわり、多民族の食材と文化が長い歴史の中で混ざり合い、洗練され、料理として完成されていく。カレーライスの誕生から現在にいたる歴史をこの南の島に辿るとき、そこにアジアをつなぐ文化が炙り出されてきます。日本というアジア極東の島国がしっかりとかかわって。

　カレーライスと鰹節のかかわりをさぐるためにモルディブに足を延ばし、カレーの原型を訪ねて南の島スリランカのジャングルの中の村を訪ね、美食のフォークロアを堪能する。カレーライスをキーワードにして、日本と南の島スリランカの関係を歴史と風土を織り交ぜながらその民族文化を縦横無尽に語り尽くします。
　この本は1995年に発刊された「南の島のカレーライス」(南船北馬舎・廃刊)をkindle版として再構成した作品。現在、印刷本に写真とイラストを豊富に加えた｢南の島のカレーライス・オリジナル版」(2012/かしゃぐら通信)がありますが、このkindle版はその原型となるもの。