kakusareta sentaku (Jamnoah novels) (Japanese Edition)

経済、人口、人間の寿命、福祉をテーマにした近未来の社会派小説。
舞台は、意図的な経済格差拡大や国家福祉予算の極端な削減により人間の寿命まで議論され始めた21世紀後半。
神谷は一流大学を卒業しても定職に就けず生活は困窮。大学時代の元カノ・彩香の報道キャスターとしての華々しい活躍を知り、自分への絶望感を感じつつも、高齢の母親を抱え何とか踏ん張っていた。
元厚生官僚の幸徳は難しい哲学書を読む神谷に興味を持ち、自分の葬儀会社・天空の会への入社を勧める。神谷はすぐに入社、天空の会の自社火葬場で働き始める。そして、この会社で葬儀の生前予約、寿命の強制終了、臓器売買など、不可思議な実務を経験していく。仕事に対する倫理観などは考えないようにしていた神谷は徐々に天空の会の中心を担うようになる。
やがて幸徳の信頼を得た神谷は、幸徳に導かれ、中国や北朝鮮に入り込み、世界的なネットワークで動き始める。
神谷は想像もしなかった仕事を経験しながら、人間の寿命や命の価値、環境、人口爆発、経済格差、様々な社会的な葛藤に苦しめられていく。