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    furinnoashiato (Japanese Edition)

    Por hanakoujiyuuichi

    Sobre

    《性技を主とした官能小説ではなく、男と女の生命のふれ合い・むつみ合いを通じて不倫にいたる心の綾を見つめ、その不倫の実相を描いた官能小説(文学)です》
               ☆
    不倫をしていた人妻がJR新快速の車内で突然死する。その人妻との関わりを語りだす(独白)夫、女友達、夫の部下(女子社員)、女友達の上司、俳句仲間の女性の語調に微妙な陰影がゆらめき、そのなかから不倫の真相が炙り出しのように滲み出す。あいまいで不確かな生き物である人間の多面性を描いた作品。

    <作品概要>
    46才の専業主婦、元川雪子が大阪駅に着いた新快速の車内で心肺停止の状態で見つかり、病院に搬送されたが大動脈瘤破裂で死亡を確認。雪子は京都駅から中年の男性とともに乗車し、大阪駅に着くとともにその男性がすっと立ち去っている。死因が病死であったため、夫の元川禎男は医師から死体検案書を受け取っただけで、警察がその男性の行方を追うことはなかった。

    元川禎男は、雪子より5つ上の51才、水道施設、下水道施設用等の水処理プラントを製造販売する薮本工業の西日本営業部長。雪子とは社内恋愛で結ばれていて、子供がなく「元ちゃん」「雪ちゃん」と付き合っていた当時の呼び方のまま過ごしており、「雪子の肌は色が白くキメ細やかでツヤツヤしてました。雪子が急死する前夜まで体のすみずみ、人目につきにくいところも愛撫し合いました。ほんとに肌が合っていました」と語っていて夫婦仲は円満そのもの。その禎男には芦田みきという愛人がおり、みきが会社に入ってきた2年後の24才の時から6年関係がつづいている。

    清水芳子は、雪子の高校の同級生で、デパートの婦人服売り場にいて雪子にカードを貸し社員割引で衣服を買わせ、自分の点数をあげていた。同窓会で顔を合わせてのがきっかけで付き合うようになり、二人で温泉地などに行くようになる。
    「雪ちゃんはあゝいう性格ですから私が誘わないとなかなか出かけられないところがあって、温泉地や観光地によく出掛けました。こんなに早く、あんなふうに亡くなるとは思いもしませんでしたけど、あっちこっち出掛けておいて良かったと、あの世で雪ちゃんそう思うてるのやありません」と言うが、芳子は職場の上司(課長代理)と不倫の関係にあり、その不倫旅行に雪子を利用していた。不倫相手の上司、部長代理の北見洋一に雪子を紹介し、男女の仲になるよう巧みにお膳立てした。

    芦田みきは、元川禎男との関係をはじめは秘していたが、あのときのみきの声を禎男が妻に「海猫のような声」ともらしていたと聞き、禎男との関係を認め、
    「元川さん、ほんとに私のこと言うてたかのしら。嫌やわぁ、もう……。私には何食わぬ顔をしておいて、奥さんに根掘り葉掘り話していたなんて。ほんとにもう……。海猫の声って聞いたときピンときたのよ」と言い、病人に冷たいというかツレないところがあって、
    「風邪気味で鼻をぐすぐすさせていると適当な口実をもうけて避けていたし、いつやったかホテルで気分が悪くなりめまいがして直ぐには起き上がれなかった事があって、そのとき彼、さっさと自分だけ服を着て突っ立っていたもの」と禎男の態度をもらす。

    北見洋一は、雪子と不倫の関係にあり、雪子の右の腋下に一円玉大の痣があることに気づく。左の腋にも同じような痣があったがこちらは淡々しいものであり、違う人間が雪子のそこにキスマークをつけているのではないかと疑う。
    「ご主人が彼女のそこにキスマークを付けるとは考えられませんでした。彼女の肌をくまなく知っているつもりでいた私が気づかなかったぐらいですから、ご主人も気づいておられないに違いないと思いました。はあ、そうですか。そういう人目につきにくいところを好まれていたのですか。それは知りませんでした。……ええ、しかし、ご主人にそういう性癖があったにしても、妻のそんなところにキスマークを付けるものでしょうか」と言い、雪子が結婚前に付き合っていた男とつづいていて、その男が付けているのではないかと推理する。「それはもう、彼女の肌は男をとりこにして止まないところがありました」と雪子の肌が痣を引き寄せていると言う。

    日沼典子は、俳句結社「座禅草」の同人で、句会の幹事をしていて雪子と親しく付き合い、雪子の不倫旅行のアリバイを頼まれて引き受けていた。
    「俳句をなさらない方には分かりづらいことと思いますけど、俳句はその人の心を映し出す鏡でもあるんです。心のうちが手に取るように分かることもあるんです」と言い、雪子が俳句手帖に残していた句、「レジ袋ころがりて行く春疾風」「早春の肩行き交ひし大通り」「浮草や水棹の合い間ただよひて」「二つ三つ散りゆく花火蛇苺」「藻の花に水よれ戻る鯉のゐて」「船酔いに鰯のような眼となりて」「十字路の車道うつろふ秋の蝶」などを俳人の目で解釈し、雪子の秘密を解こうとする。
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