主人公である井口直人は、過去に体験した、あることを切っ掛けとして、
この世界に対して漠然とした疑問を抱くようになっていた。
それは、この世界はもしかすると、仮想現実なのではないか、という疑問であった。
そんな日々のなか、井口直人の目の前で、あまりにも信じられない現象が起こるのだったが……。
一方、西暦二千年型世界と呼ばれる、仮想現実世界の管理者であるリュウ・ノガミは、
コンピューターホログラム内で暮らす人々は、果たして自我というものを
持っているのかどうか、ずっと気になっていた。
そこでリュウは、彼等が自我を持っているかどうかの実験を
行うことにする。
本来、そうした実験をすることは、リュウが管理している西暦二千年型世界に
深刻なエラーを発生させかねなかったので、やってはならないことであったのだが、
しかし、仮想現実世界に害を及ぼさない程度の、些細な現実改変なら行っても
構わないだろうと考え、リュウは実験を実行に移す。
すると、その結果、リュウは興味深い結果を得ることができた。
というのは、実験の結果、コンピューターホログラムに過ぎないはずの
人間に、ちゃんとした自我が備わっているらしいことがわかったのである。
この結果に興奮するリュウだったが、しかし、そのとき、リュウが管理している
コンピューターホログラム内で信じられない現象が起こりはじめる……。
『仮想現実世界』第一弾!!
kasougennzitusekai: houkaisurusekai (Japanese Edition)
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