kotoba no genjyututukai tati: yokukikugenjyututosonokaisetu (Japanese Edition)

　言葉により幻術を繰り出す人がいる。術にかかった者は現実ではない世界に引き込まれ、最後には「どうしてこんなことに！」と嘆かなくてはならない。
　言葉の幻術に惑わされないよう、よく聞く幻術を解説した。恐ろしい術者に惑わされないよう、心して読んで欲しい。
　言葉は現実そのものとは関係ないのだ。

　最上　雄基



「どうしてお前は〇〇なんだ！」

　目の前で起きたことが理解できずパニックになった父または上司が、主に子や部下に対して使う言葉。立場上、上から下の者に対してしか使用できない。
　子や部下が理解可能な形に持って行ってやらない限り、パニックは収まることがない。この術を発したが最後、使用者は軽い暴走状態に突入する。
　怒鳴りながら使うことが多い為この言葉に怯える人も多いが、本当に怯えているのは理解不能でパニックになっている使用者である。
　慌てて怒りを収めようとする時点で、既に術中にハマっているのである。

　　～本文より～


　その他よく耳にする言葉の幻術を解説している。以下、術の一例。

「人目がすごく気になるんです」
「あの頃はよかった」
「そんなに一生懸命やってはないんでｗｗｗ」
「頑張ってもいいことなんかないし」
「あの人って酷いよねー」


最上 雄基…心理カウンセラー。フロイト派精神分析学研究者。うつ病者の対極の考え方をしている新しいパーソナリティ。自身と神経症者の比較から、新しい療法を研究している。夢分析やアートセラピーなど非言語療法もよく行う。Amazon Kindleに「この世に一人だけで生きている人」「まだ見ぬ君への手紙～その人生はやめてしまえ～」等の著書を出版。ニッポン放送系列ラジオ「テレフォン人生相談」にゲスト回答者として出演している。