10 Nen Goshi no Propose 1: Dramatic na Ren-ai Jitsuwa (Japanese Edition)

誰を愛するべきなのか。
この後の人生を一緒に生きていく伴侶として、どのような相手を選ぶべきなのか――
プロポーズ（結婚の申し込み）が単なる憧れや夢物語ではなく現実的な話題となった年齢の人たちにとって、これは大きな問題だと言うべきでしょう。

だからこそ今まで、この問題を扱った実に多くの物語が書かれてきました。
たとえば『風と共に去りぬ』や『ノルウェイの森』などは、その代表例だと言えるでしょう。
そして他にも古来、その手の話はたくさん書かれ、かつ読まれてもきたのです。

しかしそれらの物語は、あくまでも「一つもしくは幾つかの、具体的な事例」を描いたものでしかありません。
多くの人たちにとって大いに興味がある問題に関する事例ですので、ワクワクドキドキしながら読むことができます。それらの事例の物語を読んで、いろいろと考えさせられることも多いでしょう。その結果、それらを読んだことが「はたして自分は誰を愛して、この後の人生を誰と一緒に生きていくべきなのか」考える上での参考になる場合もあります。

とは言うものの、それらの物語はあくまでも「一つもしくは幾つかの事例」でしかありません。
誰を愛するべきなのか。この後の人生を一緒に生きていく伴侶として、どのような相手を選ぶべきなのか――
という深刻な問題に対して、決定的な解答を与えてくれるものではありません。
その問題に対して皆さんの一人ひとりが自分ならではの答えを見つけ出す上で、あくまでも「参考になるかもしれない事例」という範囲内のものでしかないのです。

誰を愛するべきなのか。この後の人生を一緒に生きていく伴侶として、どのような相手を選ぶべきなのか――
本書『10年ごしのプロポーズ』も、その問題を主題としている物語です。
ただし『10年ごしのプロポーズ』は、同じ問題を扱っている既存の作品と比べた時に、一つ大きな違いがあると言えそうです。
その違いとは、いったいどのようなものなのでしょうか。

それは、他でもありません。
誰を愛するべきなのか。この後の人生を一緒に生きていく伴侶として、どのような相手を選ぶべきなのか――
この問題に対して『10年ごしのプロポーズ』は、単に一つの具体的な事例を提示しているだけに留まりません。
なんとこの問題に対する、一つのはっきりとした考え方を解答として読者に提示しているのです。

ですので『10年ごしのプロポーズ』は、この問題について考えておられる読者の皆さんにとって必ず参考として役立てていただけるものと思われます。
はたして『10年ごしのプロポーズ』の主人公は「誰を愛するべきなのか」という問題に対して、どのような究極の選択を行なったのか。
そしてそれは、どのような考え方に基づいてのことだったのか。
そして主人公の考えや選択は読者の皆さんにとって、どう参考にしていただけるのか――
「誰を愛するべきなのか。この後の人生を一緒に生きていく伴侶として、どのような相手を選ぶべきなのか」という問題に関心をお持ちの人たちには、ぜひとも『10年ごしのプロポーズ』を読んでみていただければと思います。