高校の生物部員と卒業生との、心あたたまる交流の記録です。
しかもその話に、卒業生たち同士の間のプロポーズの話がからんできます。
実話だというのに次から次へと立て続けに事件が起こり、まるでドラマか何かのような展開がくりひろげられます。
高校生たちのうちの一人であるナツヨが主人公のことを先輩として慕い、頼りにもするようになっていきます。
秋には自分が両親とうまくいっていないことや、中学時代までの生い立ち、それから夏に失恋をしてしまったことなどの打ち明け話をしてくれました。
同じ学年の男子の部員と喧嘩したような形になってしまったことについて、相談を持ちかけてきたりもしました。
冬には主人公とナツヨが二人とも同じ職業を志していることが判明し、いろいろと語りあうようにもなりました。
春にはナツヨが自分の新たな恋について、相談してきたりもしました。
そして初夏には生物部で一つ下の代の後輩たちと仲たがいして、自分は生物部の活動に顔を出さなくなってしまうのです。
主人公はそんなナツヨのことを、決して見捨ててしまいはしないと心に誓います。
一方で主人公が「プロポーズの予告」をした相手であるミサトと主人公との関係は、なかなか進展していきません。
ナツヨの件を主人公がミサトに相談しようとしても、生物部の全体ではなく個人の問題だからと親身になってもらえません。
でも就職して三年目に入り、まとまった夏休みがとれるようになったミサトは、主人公と一緒に泊りがけで登山へ出かけます。
はたして主人公とミサトの関係は、その登山を通じてどう変化していくのか。
そして生物部に対するナツヨの立場や、主人公との信頼関係はどうなっていくのか――
『10年ごしのプロポーズ』の下巻では、それらの問題に一定の答えが出される過程が描かれるのです。
『10年ごしのプロポーズ』の上巻と下巻で描かれている一年間に、部員のうちの一人であるツグミはアメリカ合衆国に留学していました。
そこで『10年ごしのプロポーズ』の主人公でもある著者は、留学中のツグミに対して全部で八十四通もの手紙を書いて送ったのです。
日本に残された生物部の皆の様子を、留学中のツグミに伝えるためにです。
その八十四通のうち、プライヴァシー面などで問題がある一通を除いた残りの八十三通が『つぐみへの手紙』という題で出版されています。
その『つぐみへの手紙』でも、『10年ごしのプロポーズ』の上巻と下巻で描かれている一年間の出来事を、また少し違った角度から楽しむことができます。
もしもご興味を感じてくださった方は、そちらも併せてお読みくださいますようにお勧めさせていただきます。
10 Nen Goshi no Propose 2: Dramatic na Ren-ai Jitsuwa (Japanese Edition)
Sobre
Baixar eBook Link atualizado em 2017Talvez você seja redirecionado para outro site