本書は4編の卒業論文(2014年度提出)を含んでいる。いずれも宗教に関わるものであるが、それぞれ、ユダヤ教、心理学、医療、動物といった独自の焦点を持っており、全体として、今日の神学および宗教研究における若い世代からの関心事を反映したものになっている。
本書は、私が指導して提出された卒業論文のうち、執筆者の了解が得られたものを収録した卒業論文集「神学の射程と諸相」(Kindle版)の第2巻に当たる。第1巻は2年前に刊行されているので、関心ある方には、それも合わせて読んでいただければと思う。学部生によって記された卒業論文という性格上、一般の学術論文に比肩するとは言い難い部分もある。しかし、それぞれの関心が学問的な煩雑さによって妨げられることなく、ストレートに表現されていることは卒業論文の魅力の一つと言ってよい。また、今、この時代を生きる若い学生たちの関心のありかを観測するという楽しみ方もあるだろう。あるいは、一般的にはあまりその実態を知られていない神学部という場所において、どのような学問がなされているのかを読者は垣間見ることもできるだろう。
今日、学術論文の多くはインターネット上で公開され、自由に閲覧できるようになったが、卒業論文については意外と実物を手にする機会は少ない。これから卒業論文を書こうとする者にとっては、本書がよい手がかりとなることを願っている。なお、各論文の冒頭に聖書の引用が記されているが、これは卒業論文集を編集するに当たり、各執筆者が選択し、挿入したものである。
本書の一つひとつの論文が「神学の射程」の広がりを示しているだけでなく、論文を完成させ卒業していく学生たちのこれからの「人生の射程」をも示しているようである。一つひとつの論文にいとおしさを感じながら、本書を多くの人に読んでいただきたいと願う次第である。(小原克博)
【目 次】
序文(小原克博)
1. メシアニック・ジューという存在──その背景と影響(石井田 新)
2. 宗教機能の心理学的考察──死の不安への対処を中心に(打田篤彦)
3. 現代日本の医療現場における宗教の在り方──ビハーラを中心に(奥村奈央)
4. 動物観と宗教の関係についての考察──日本と西洋を比較して(寺本梨紗)
A Range and Aspects of Theology 2: Graduation Theses of the Theology Students of Doshisha University 2014 (Japanese Edition)
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