アイルランドとロシアの口承性を、マリア賛歌とチェーホフを通して探る本です。
口承の文化は文字文化と違う時間の感覚があると言われます。現在が過去とつながっていること。そのことに対する意識が違うのです。現代人は頭では理解していますが、口承文化におけるほどに切実な感覚ではありません。
そのとぎれない時間の感覚が1900年前と現代との間に存在することをえがき出した文学作品に、チェーホフの「学生」があります。
一方、その感覚の残響は、アイルランドの宗教的伝承詩にも感じとれます。本書では特に聖母マリアをたたえる賛歌の歴史を通じて、その感覚を探ります。
〈主な内容〉
チェーホフの「学生」
ロシアにおける聖金曜日
「聖母マリアの七つの御喜び」
「ガウデー聖歌」
「アカティストス聖歌」
ツェヴェルフィの説
三〜四世紀のマリアへの聖歌
アイルランドと東方教会
著者・菱川 英一(神戸大学大学院人文学研究科教授)f
著書・『真夜中の法廷』(共著、彩流社、2014)他
A Sense of Links: Marian Hymns and Chekhov (Japanese Edition)
Sobre
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