【はじめに】より抜粋
私の人生を一言で表すなら「波乱万丈」という言葉がぴったりかもしれません。現在は七十三歳。神奈川県川崎市の住宅街で、創業四十一年目になる美容院を営んでいます。昔は従業員が何人かいましたが、今は私が一人で店を切り盛りし、地域の方々にとっても親しみある場所となっています。
今の日常を「幸せだな」と感じながら過ごせているのは、私がこれまでに数多くの苦労を乗り越えてきたからだと思っています。
進学するお金がなく、住み込みで美容師見習いをしていた十代の頃の経験。生まれたばかりの子を亡くしてしまったこと。それから始まった夫の酒乱、暴力。酒を飲むと人格が変わってしまう夫と対峙し、殺されるかもしれないと怯えていたこともあります。何度となく離婚することを考えました。そして、三度の交通事故は私を苦しめました。今も後遺症で腕に痛みがあります。時には信頼していた人間から裏切られ、悔しい思いをしたこともありますが、今は全てを受け入れて許しています。その他にも数々の困難が私に襲いかかり、その度に私は逃げずに闘ってきたのです。平凡とは言い難い半生でしたが、おかげで今の幸せがあるのでしょう。
二人の子どもが立派に成人したことが私の一番の誇りです。現在、長男夫婦が近所に住んでいるのですが、私のことをよく気にかけてくれます。男の子はいつまでも可愛いままなのですね。父の問題を間近て見て、私と一緒に耐えてきた長女は二人の子どもを授かりました。私にとっての孫です。その孫も成人し、たまに私に会いにやってきます。
もしも私の人生が何の苦労もない平坦なものだったとしたら、きっとこのような本を書こうとは思わなかったかもしれません。苦労や困難によって今が築かれた。そう思うと、過去も愛おしいものに感じます。
子どもや夫、自分の親や兄弟への愛と感謝を込めて、七十三年の記録を綴ろうと思います。
最初にお伝えするのは、私の子ども時代のこと。一九四三年の夏、熊本県八代市に生まれた私は、優しい父母に育てられました。母が病気だったため看病に追われる日々でしたが、太陽のように暖かく優しい父が私に与えてくれた愛情は、今も私の糧となってここにあるような気がしています。
私は人から貰うことよりも、自ら与えることのほうが好きですが、そんな自分の性分も、父の愛情によって培われたものなのかもしれません。
【目 次】
はじめに
第一章
母の看病に追われる幼少期
ハンサムな夫との出会い
美容師見習い
第二章
苦難の結婚生活
浮気と酒乱
優しい長男
忍耐強い長女
仲良しの嫁姑
第三章
美容院を開店するまで
雑貨屋と居酒屋を開店
三度の交通事故
夫の変化
第四章
日々の食事を大切に
健康に妥協せず
手紙
おわりに
aisurumonotatihe (Japanese Edition)
Sobre
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