明治時代、フィリピンに民衆革命が勃発する。支配者であるスペインからの独立を目指す武力闘争である。当時、フィリピンは、台湾を統治していた日本の隣国でもあった。当然、諜報員が現地に送られる。
この物語は、その諜報員として現地に派遣された一人の記者の回顧録を参考にしている。(記者は現地人と結婚し、子孫の方は現在も東京に住んでいる)
舞台はフィリピンであるが、物語は日本の隣国、李王朝の朝鮮国からはじまる。明治の日本は、白人たち侵略主義者から、いかに自国を守り抜くかの戦いでもあった。
まずは、朝鮮国を狙う欧米やロシアへの対応だった。ロシアになびく朝鮮国の王妃、閔妃(みんび)は国際的な意味からも、日本国を脅かす厄介な存在だった。日本の雑誌『太陽』の記者である主人公『雨月多門(うげつたもん)』は、閔妃にインタビューを試みるため、朝鮮国に派遣される。だが、王妃暗殺事件に巻き込まれる。
一方、南の隣国、フィリピンでは、革命闘争に苦悩するスペインの背後から、じりじりアメリカが触手を伸ばしていた。王妃の事件の後、雨月は帰国し、横浜の実家に戻るが、恋人の『ロセ』は、緊急に故国に旅立っていた。彼女は日本の援助をあおぐため、フィピンの革命政府から派遣されたスペイン人との混血の革命軍女性幹部だった。マニラで発行されていた民衆革命を唱えた機関誌は、日本と関係があるかように『YOKOHAMA発行』と書かれ、特使たちも横浜に滞在していたのだ。
雨月は、革命のさなかのフィリピンの取材とともに、恋人のロセの行方を探すが、革命主流派と対立するグループの彼女の行方は分からなかった。
また、王妃暗殺事件の陰の人物とみなされた記者の雨月を追い、日本人を装った朝鮮国王朝の女官として王妃に仕えていた一人の女性が、マニラにたどり着く。朝鮮国から日本経由でやってきたのだ。
日本の参謀本部は、革命を援助するため、雨月の案内で陸軍将校六名を現地潜入させる。また、武器を積んだ船を密かにルソン島に向かわせ、きたる決戦に備えていた。
だが、凋落のスペインに代わり、革命軍をだましたアメリカ軍が突如上陸し、フィリピン各地で民衆の大虐殺を開始する──。
作者経歴
1954年東京生まれ。小説新潮新人賞受賞。新潮社、講談社、実業之日本社等にて単行本を出版。出版社等に勤務。退職後、再度執筆活動を開始する。
●赤き月──案内
≪1巻≫
《1章 夜明けの朝鮮国王宮》
《2章 横浜そして王妃と暗殺者たち》
《3章 閔妃の悲しき運命》
《4章 フィリピンからきた女性革命家》
≪2巻≫
《5章 王妃が放った美しき刺客》
《6章 フィリピン民衆革命》
《7章 愛する人は墓の中》
《8章 わが妻と子はどこに》
《9章 ゲリラ小隊と豚》
《10章 私はマルガレータ》
《11章 朝鮮国女刺客日本人に化ける》
《12章 謀略国家アメリカ》
≪3巻≫
《13章 絶界の半島に日本から武器が》
《14章 革命のために裏切れ》
《15章 殺人鬼アメリカ軍》
《16章 横浜の革命家ポンセと孫文》
《17章 日本の裏工作》
《18章 日本国軍有志の上陸》
《19章 赤月の旗は血の色》
《20章 カティプーナンを忘れない》
《あとがき/参考文献》
akakitukisankan: meijijidaifiripinnodokuritusensousonokatyuunitobikondahitorinonihonjintofutarinojyosei (Japanese Edition)
Sobre
Baixar eBook Link atualizado em 2017Talvez você seja redirecionado para outro site