明治43年に内外出版協會から発行された「不思議の国のアリス」の日本語翻訳版。
訳者は丸山英觀(本書では丸山薄夜のペンネーム)。
当時の子供たちが理解しやすいように登場人物の名前が、アリス=愛ちゃんほか、日本名に置き換えられています。
そのほか有名な「パイ(タルト)裁判」もパイ=栗饅頭と置き換えられているなど、現代版と読み比べてみるのも面白いです。
※本書はすべて画像で構成されております。お使いの機器の読み上げ機能などはご使用になれません。
===本文「はしがき」より===
これは有名なレウィス(ルイス)・キャロルという人の筆になった『アリス・アドヴェンチュアス・イン・ワンダーランド』を訳したものです。あどけなき一少女の夢物語、滑稽(こっけい)の中おのずから教訓あり。むかし、支那の荘周(そうしゅう)という人は、夢に胡蝶となったいう話がありますが、夢なればこそ、漫々たる大海原を徒渡りすることも出来ます。空飛ぶ鳥の真似も出来ます。世に夢ほど面白いものはありません。今しばし、姉さんの膝を枕の仮寝に結んだ愛ちゃんの夢、解いてほどけば美しい花の数々、色鮮やかにうるはしきを摘みなして、この一篇のお伽噺は出来上がったのです。
明治四十二年十二月 訳者
※一部読みやすいように修正しました。正しくは本編、もしくは「なか見検索」でお確かめください。
本書は国会図書館デジタルコレクションがインターネットで公開しているデジタルデータを元に制作しました。原著となる「愛ちゃんの夢物語」は「内外出版協會」から明治43年に発行されました。同作品は著作権保護期間を満了したパブリックドメインです。内容には一切手を加えておりません。一部読みにくいところや、現代では自粛すべき表現、一般に通用しにくい言い回しなども含まれております。ご了承ください。
Alice s Adventures in Wonderland at Japan (Japanese Edition)
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