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下にも記載している通り、この本の主題は「日本経済システムの特殊性」をあぶりだすです。
著者が、男尊女卑だ、古い考え方をしているだとかは、完全な読み間違いです。
日本の経済システムが「特殊」なために、女性が損している、会社にしがみつかなければ
いけないなどの古い考え方をしなければいけなくなっていると指摘しているだけです。
けして、著者が古い考え方をしているのではありません。
退官間際の、日本経済システムを研究している大学教員が、息子への手紙を送るという内容になっています。
息子は、大学へ行かずフリーターをしながらミュージシャンをしていこうと思っていますが、それは日本経済を分析する経済学者として人生を棒に振る生き方であると諭します。
日本経済システムの専門家として、大学教員は、息子へ人生のアドバイスをしていきます。大学へ行け、大学院へ行くな、転職するな、起業するな、非正規労働者になるな、フリーターになるな・・・等
それが15項までの説明となります。
一見、息子へのただのアドバイスになりますが、この本の主眼は別のところへあります。大学教員が息子への人生のアドバイスをしていくことにより、日本経済の真の問題点をあぶりだすことにあります。それが16項以降になります。日本経済の特殊な慣習が、人間が本来持つべきライフスタイルを歪めているのではないか、個人が極端な企業隷属的な生き方を要求しているのではないか、特殊な成功のルールが明示化されていないのでないか等、が記載されています。
よってこの本の真の主題は、「日本経済の制度、慣習の特殊性の問題点」となります。
日本労働市場のインサイダーアウトサイダーシステムの問題点が主題となっているので、時事的、社会的な争点として、非常にタイムリーな内容となっていると思います。日本の経済システムが個人の人生をゆがめている等は、これまで明確に主張されてこなかったことなので、学問的な価値もあると思います。
1.息子への人生たった一度の命令 大学へ行け3
2.新卒一括採用5
3.核となっている制度、賃金の人質制度6
4.比較制度分析の説明、慣習、制度のナッシュ均衡9
5.大学では勉強しなくていい11
6.大学院へは行くな12
7.理系には行くな14
8.女性に生まれただけで圧倒的に損である15
9.日本の内部労働市場の特殊性、経営者、管理職の考え方17
10.転職するな18
11.下請け会社には就職するな19
12.起業するな20
13.自営業をするな21
14.非正規労働者にはなるな22
15.フリーターになるな、22歳で正規雇用に必ず就け23
16.日本のインサイダーアウトサイダーシステムと漁師の話26
17.所得格差の方法自体は正当的か28
18.日本のシステムは個人に隷属を強いることで、個人の人生をゆがめていないか30
19.社会の格差ルールは明示化されているか32
20.特殊なシステムが形成された真の理由、時期、労働者VS労働者33
21.人生の終わりに36
arukeizaigakusyakaramusukohenozinseiwoseikousaserutamenotegami: nihonnnotokusyunakeizaisisutemuwokihantekinimitasainomonndaitennnosyutyou (Japanese Edition)
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