「ろーく、なーな、はーち、くー、じゅっ!」
振り向くと、見知らぬ光景が広がっていた。
君は外で遊ぶのが好きな5歳の男の子だ。今日も近所の友達3人と公園で鬼ごっこをしていて途中から君が鬼になり、公園の木の下で顔を伏せて数を数えていたところだった。
「ここはどこ?」
君は階段の踊り場に立っていた。さっきまで太陽の日差しが眩しかったのに、いつの間にか辺りは夕暮れ時のように赤く染まっている。左右の階段は上へも下へも果てしなく続いていて果てが見えない。階段の両側は高い塀になっていて、君の身長では塀の向こうがどうなっているのか見ることができず、凹凸もないためによじ登ることもできない。
君はふと、自分が野球帽を被っていないことに気がついた。数を数えていた時は被っていたはずなのに。君は怖くなって、しゃがみ込んで泣いた。だが、泣いていても何も変わらないと気づいて立ち上がる。状況を変えるには、階段を上がるか下りるしかなさそうだ。暗くなる前に家に帰らなくては。
4章からなる合計79パラグラフkindleゲームブック「怪しい階段」の小説版です。鉛筆画の挿絵3点。ゲームブック版プレイ予定&未クリアの方はクリアしてから読むことを強くお勧めします。
ayashiikaidan (Japanese Edition)
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