Berryz Loss 2: A Short Story for the Sufferers from the Berryz Kobo Loss Syndrome (Japanese Edition)

　Berryz工房が2015年3月3日に活動停止に入って、はや一年が経つ。その間、メンバーたちはハロー！プロジェクトのアドバイザー、他のアイドル・ユニットのプレイング・マネージャー、女優、海外留学、YouTube番組のMC及び他ユニットの立ち上げ、テレビ番組の準レギュラー・レポーター及びモデル等、それぞれ目覚ましい活動をしている様子。
　が、りーちゃんこと菅谷梨沙子の動静がほとんど聞こえてこない。ブログはラストの武道館公演の翌日3月4日に最後の更新をしたきり、止まったまま。時折、ネイル・サロン等のインスタグラムに、りーちゃん御来店の画像記事が揚がる程度で、情報発信を自らに禁じているかの如く、深い潜航状態なのである。
　最も訝しいのは、他のベリメンが全員集まった機会にもりーちゃんの姿が見えないこと。千奈美ちゃんの留学壮行会の折も、ベリ結成12周年を祝った折（留学中の千奈美ちゃんはテレビ電話で参加とか）も、りーちゃんは他の用事があるということで欠席だったのだ。グループにとってこんなに大事な集まりよりも、優先しなければいけない「他の用事」って一体何だろう。
　というわけで、巷では様々な憶測がなされている。それらを簡単にまとめて言えば、梨沙子は以前からアイドル活動が、あるいはBerryz工房の面々が、嫌いで仕方がなかったのだ、だから、こうして誘われても、もう絶対出てこようとはしないのだ云々。そこから更に憶測を広げて、そもそも梨沙子がもうBerryzをやりたくない、アイドル活動をやめたいと言い出したから、ベリは活動停止せざるを得なくなったのだ云々。
　Berryzの活動をもっと続けてほしかったと思うのはベリヲタ共通の願いではあろうが、その願いをこじらせて、りーちゃん一人に活動停止の理由を被せ、それを非難するというのは、ちょっとやはり看過できない。りーちゃん一人を戦犯のように仕立てて攻撃するというのは、皆で話し合って、話し合って、自分たちの将来を考えて結論を出したはずのベリメン全員に対する冒涜でもあると言えよう。
　前作『ベリロス』を世に問うてから一年。一体りーちゃんはなぜ沈黙を通しているのか、なぜ他のメンバーと交わろうとしないのか、その答えを求めて空想が広がり、そして膨らみ、とうとう今回この『ベリロス２』を上梓することとなった。真相はもちろん私たちにはわからない。が、この作品を通じて、なるほどそうか、ひょっとしたらそうなのかもと安堵し、心を落ち着けてくれる人が一人でもいるのなら、私としても、無い知恵を絞って書き上げた甲斐があったというものだ。