B1病棟@概要
双極性障害の発作によって急性期病棟(B1病棟)に強制収容された壮年男性が、
そこで初めて自分を蝕む病気と向き合い、少しずつ回復して行く姿を描いた。
一般には名前こそよく知られていても(躁鬱病)、
実態については全くと言っていいほど馴染みがないこの病気に光を当て、
その患者の葛藤と患者を持つ家族の苦悩をしっかり見据えた内容とした。
語り手である“俺”がB1病棟に入院するに至った経緯と、
入院中の“俺”の内面の変化は日記形式で語っており、あえてシンプルに描いた。
とかく暗いイメージで捉えられがちな精神病院を舞台にしたこともあって、
強制的に入院させられた主人公が、全身を拘束された上で導尿管を入れられた状態で目を覚ます場面を筆頭に、
病棟内の描写は時にショッキングなほど生々しく描いた。
しかし、恐らく本作で一番強い印象を残すのは、
公金の不正利用発覚を恐れる会社の陰謀に嵌められたと言う妄想を、
躁発作特有の自信過剰と根拠のない思い込みのまま加速・暴走させていくことで
大騒動に発展する序盤の逃走劇であろう。
この一連のシーンは、妄想と現実が曖昧になった奇妙な感覚を再現した。
そして安芸の宮島での一人旅での、躁発作時の全能感がどんなものか端的に物語る
「この体験はまさに神の領域である~神の視点で全てが現実に体験できるのだ」と言う
“俺”の言葉など、躁状態の実態に肉迫した描写の数々は、
「躁」に対する誤解と偏見を取り除く効果があるのではないだろうか。
強制入院後、特例として“俺”が家族との関係を維持・回復させていく上で、
携帯メールが大きな役割を果たしている。
作中で語り手自身が「会って話せない事も文章なら通じ会えることもあるので大変助かる。」
と述べているように、特例的な配慮と携帯が普及した現代ならではの光景を切り取ったものだ。
さらに携帯メールは“俺”がB1病棟の患者達から嫌がらせを受ける原因ともなる。
そして、厳戒態勢が敷かれるB1病棟の緊張感の中、目まぐるしく“俺”の心境に変化が現れる。
己の人生に懺悔して激しい鬱状態でのリバンドの中、
自殺を試みるが、何れも失敗して“生かされている”ことを悟る。
そして“俺”の魂の再生の第一歩を踏み出すのである。
社会でも家庭でも精神ストレスに晒されることが多く、
だれもが精神を病む可能性のある現代だけに、
精神疾患と向き合って再生する人間像を浮き彫りにしようと試みた。
biiwannbyoutou@: seturitoiukaminomede houseniyorusannmiitainosyoucyoudearusannkakkeitokumiaraseru seisinnhoukaisyahasinnjinnruitonarierudarou mouhitotunobi-wannbyoutouattoma-ku (Japanese Edition)
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