「業(カルマ)」というものを、皆さんはどんなイメージでとらえていますか?
「イケメンの彼をゲットできたのは、前世でお姫様だったカルマ」「こんなに私が不幸なのは、過去世の悪業が降りかかっているから」……そんなふうに感じているでしょうか。
いずれにしても、世間一般の「業(カルマ)」の理解というのは、現在の幸不幸に関わる、自分には思い当たらない、よくわからない不可抗力ととらえられているようです。
現在、おもにスピリチュアル・精神世界の分野で親しまれている「業(カルマ)」という観念は、そもそも仏教の世界で精密に研究されてきました。
仏教の開祖であるブッダ(お釈迦様)は、この「業(カルマ)」のエキスパートだったともいわれています。では、仏教では、「業(カルマ)」をどう定義しているのでしょうか。
仏教の「業(カルマ)」の定義は、「意志をもって行う行為とその結果」というものです。前世や過去世に限らず、私たちが今ここで意志をもってしている行い、考えること、しゃべること、身体を使って何かをすることも、すべて「業(カルマ)」ということになります。
つまり、「業(カルマ)」について学ぶということは、自分が幸福になるために、あるいは不幸にならないために、どのように心と身体の行為を管理していけばいいのかを勉強することなのです。私たちが、まず学ぶべきことなのです。
この本では、ブッダが説いた「業(カルマ)」論をご紹介します。現代の皆さんは、スピリチュアルブームなどに乗って、過去世ばかり知りたがる傾向にありますが、本当は、まずは今ここの「業(カルマ)」について気にするべきなのです。では、過去世の業についてはどう考えるべきでしょうか。そのことについても、順を追ってお話ししたいと思います。
<目次>
■第一章 仏教が説く「業」
「業」について学ぶということ
人生の不可思議に回答を与える業
考えてはいけない四つのこと
業のポイント1 命の材料
業のポイント2 相続するもの
業のポイント3 幸不幸は相続次第
業のポイント4 起源
業のポイント5 親族
業のポイント6 生命の頼り
業のポイント7 差をつけるもの
都合よく利用される業
業から分かる生命の平等
業は因果法則の一部でしかない
■第二章 因果法則という真理
五つの自然法則
①自然(utu)
②種子(bīja)
③業(kamma)、④法(dhamma)
⑤心(citta)
業も自然法則に制約される
■第三章 業を理解した生き方
「運命」は成り立たない
業+個人の意志で生きる
業と意志(cetanā)と環境
大事なのは行為の業
つねに「今どうするか」を考える
感覚の流れが生きること
善行為と悪行為の定義
感情が意志に判断を促す
悪業の果報から身を守る
不幸を回避する慈悲喜捨の念
最上の善行為「妄想をやめる」
仏教を学び、智慧を育てる
■第四章 業に関するQ&A
災害・戦争と業の相続
身体と心のバランスは業が関係していますか?
趣味が業におよぼす影響とは?
なりたい仕事や歩むべき道は業と関係しますか?
「自業自得」と「諸法無我」は矛盾する?
輪廻転生への誤解
障害者と業
業と仲良く暮らしたい
buddha ga oshieta karma no shinjitu syokibukkyonohon (syoki bukkyo no hon) (Japanese Edition)
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