【復刻版の原本】
この電子書籍は、以下の書籍の版面を複写し、シミ、ヤケ、活字のかすれ等をできるかぎり修正し、読みやすくした復刻版です。
岡本綺堂「近松物語」(青蛙房 昭和31年1月25日発行)
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【解説】
本書は、「近松物語」と「江戸戯曲物語」の2本が入っており、それぞれに、多くの作品をそれぞれ物語として再構成したものが収録されています。
「近松物語」について、岡本綺堂が初版はしがきで次のように述べているそうです。
「これは近松翁の心中物全部と、それと同じ系統の世話浄瑠璃七種とを取りまぜて、物語風に書いたものである。翁の作意を全部のみ込んでしまって、一種の新らしい物語として書きおろすのも一つの賢い方法に相違ない。併し臆病な私にはそれほどの勇氣がなかった。わたしは何虚までも翁の原作に引摺られて行った。わたしは飽までも大詩人に對する忠僕の態度を取って、翁の原作をありのままに傳へることにのみ苦心した。原文も出來る限りは取入れた。人物の詞の如きは、私が新らしく栫へたものは絶對にない、悉く原作から移して取った。それは原作の匂ひを成るべく失はないやうに努めたのと、翁の作物を研究する人の便宜を計る爲と、この二つの理由に外ならない。
翁の浄瑠璃には金のことが屡々出てゐる。それが其時代の京阪の風に從って専ら銀相場に擦ってゐるので、現代の人には判りにくい。特殊のものは私も其の個所に註を加へておいたのもある。銀の相場は其の時代に因って高下するものの、大禮に於て金一雨が銀六十匁替へと思へば大して間違ひはなからう。銀一貫目は千匁である。随って銀一貫目と云へば金十五六雨に相當する。その計算で割出せば大抵見當が附くかと思はれる。」
「江戸戯曲物語」は近松物語の八年後、大正十三年に演藝書報に連載したものです。「近松翁の物語が元禄から享保にかけて上方文化の市民生活を描いたものとすれば、この戯曲物語は江戸文化の燗熱した安永以降の風潮を代表したものと云へるだらう。いはゆる江戸世話物の世界である。」(岡本経一氏)
「近松物語」では16編、「江戸戯曲物語」では10編を、それぞれ収録しています。
ChikamatsuMonogatari (KyorinsyaBunko) (Japanese Edition)
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