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    ChouDaikyoukounoJidai (Japanese Edition)

    Por FujiiGenki

    Sobre

     東日本大震災が襲う前、日本では、世界経済はなんとか2008年のリーマンショックから立ち直りつつあり、あの当時言われていた「100年に一度の大不況」「第二次世界大恐慌」は回避されたような見方が主流であった。ただ、2011年の年初からドミノ式に北アフリカから中東にかけての動乱が起こり、原油価格が高騰したため、「なんとなくおかしい」というムードもあったが、リーマンショックのときに顕在化した問題は、おおむね解消したかのような報道が日本でも、世界でも続いていた。
     しかし、現実はそうではない。今後、世界経済は確実に「二番底」(Double Dip)に向かっていく。それにともない、わが国の経済もさらに低迷を続け、大震災の後遺症から立ち直れないばかりか、場合によってはクラッシュしてしまうような状況も考えられる。
     本書では、震災不況にあえぐ日本の根本的な諸問題から、日本からは見えてこない深刻な経済危機にあるアメリカ、スペイン破綻に端を発する世界恐慌の可能性、終わりへの始まりにも思える中国経済のバブル崩壊の予兆、大混乱に陥った中東問題など、著者独自の視点で論及。
     私たちが生きる未来の過酷な現実をあぶりだしながら、望ましくはないが、極めて確率の高い、世界経済が破産へ向かう恐怖のシナリオを活写する。

    ーーーーーーーーーーー
    <目次>

    まえがき・復興は希望的観測

    ●第1章●震災大不況の到来

    精神論ばかりでは日本は復興しない
    戦後の復興とは異なる復興の条件
    ポルトガルを崩壊させたリスボン大地震
    国民性まで変わってしまったポルトガル
    復興財源を捻出する方法はある!
    財務省が日銀に通貨発行権を売り渡す
    否定された日銀の国債直接引き受け
    日本経済復興を壊滅させる増税策
    東日本から脱出する個人・企業
    東日本の不動産価格下落は早くも始まった
    福島第一原発事故で露呈した日本の弱点
    国債格付けの引き下げによる信用下落
    貿易赤字国に転落してインフレ到来


    ●第2章●二番底に向かうアメリカ

    新たな貧困がじわじわと拡大中
    フードスタンプ受給者数は史上最高を記録!
    長引く失業と米経済の回復力の衰退
    「アンダーエンプロイメント」という現実
    激増する地方銀行の破綻
    2012年、商業用不動産市場の大崩壊がやってくる
    破綻するアメリカの州財政・自治体財政
    バンク・オブ・アメリカに集中する非難
    二番底に向かっている住宅市場
    草の根右派と左派の反グローバリズム連携
    一枚岩でないアメリカ、日本人の大いなる誤解
    借金漬けのアメリカの財政状況
    第二次ITバブルを仕掛けるオバマ政権
    クリントン時代の﹁夢よ、もう一度﹂
    新人事から明らかになった第二次ITバブル戦略
    オバマ大統領は規制緩和派に変身した
    第二次ITバブルを生みだす諸条件は整った
    現れ始めた第二次ITブームの役者達
    しかし、ITバブルは必ず崩壊する
    オバマはアバター大統領である


    ●第3章●中東大混乱の影響

    北アフリカから始まり世界に拡がる無秩序
    フェイスブック×ウィキリークス×ツイッター=?
    高騰する資源・エネルギー・食糧
    通貨制度もまた、カオスの時代に
    アメリカの衰退が世界をさらに混乱させる
    チュニジアからエジプトに、さらに中東全体に
    イスラム原理主義集団「アキム」とは?
    グーグルが火を点けたエジプト騒乱
    4月6日運動と国際青年運動同盟(AYM)とアメリカ
    動乱の大きな原因は失業問題
    SNSはどれだけの力を発揮したのか
    中東革命が北朝鮮に飛び火する可能性
    金正日死亡から始まる日本の悲劇


    ●第4章●欧州危機の本質

    欧州バブルの全体像を掴む
    サブプライム・バブルに乗ったドイツ銀行
    「PIIGS問題」はじつは英独仏の危機
    PIIGS諸国で国ごとに異なる危機の性格
    不動産バブルの発生と南北問題
    欧州の高いレバレッジ率
    オフショアのアングラ・マネーの還流
    欧州に移動したアングラ・マネー
    そしてアングラ・マネーはアイルランドへ
    予測されていたPIIGS諸国の破綻
    財政破綻で再び移民国家に転落
    世界第9位の経済を持つスペインの破綻
    懸念されるスペインの国債償還
    スペイン発の世界恐慌が起こる可能性
    危機の本質は過剰消費と住宅バブル
    スペインからラテンアメリカに拡大する金融危機
    共通通貨「ユーロ」は崩壊するのか?
    欧州のストレス・テストの欺瞞
    救済する側のドイツの論理とされる側の論理
    PIIGSがユーロを離脱する時
    債権者ドイツに求められる債権の放棄
    ドルのライバル、ユーロを攻撃するアメリカ
    欧州危機にチョッカイを出す中国



    ●第5章●中国バブルついに崩壊

    中国の体制崩壊が日本に与えるダメージ
    中国共産党体制の崩壊は「歴史の必然」
    経済成長しても社会的矛盾があれば持たない
    中国バブルはなぜ、生まれたか?
    すでにピークを過ぎた中国の不動産価格
    ソフトランディングできたバブルはない
    日本は中国の泥沼に引き込まれる
    日本を絞り取る準備ができ上がっている
    中国側の罠にはまった日本企業の実例
    日本に流入する大量の中国難民
    国内インフレが、輸出大国中国を滅ぼす
    世界的な企業の中国脱出が始まった
    貿易赤字国に転落してしまった中国
    なんでも爆発する「お笑い爆発大国」


    ●第6章●最後にババを引く日本

    デフレ・スパイラルはなぜ止まらなかったのか?
    日本経済成長のエンジンはなにか?
    総需要抑制政策を取ってきた民主党・菅政権
    総需要喚起のためにはなにが可能か?
    さらに日本を襲う資源高、食糧高騰
    目前の円高、そして予想される超円安
    TPPと東アジア共同体問題
    消費を支えてきた小売業界の苦境
    消費者金融の衰退にみる底辺経済の闇
    減らない自殺者、孤独死

    あとがき・超無秩序化する世界

    ーーーーーーーーーーー
    著者:藤井厳喜

    *本書は『超大恐慌の時代』(日本文芸社、2011/7/10、ISBN:978-4537258356)を電子版にしたものです。
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