企業が中国に進出するときに、検討しなければならない項目は多々ある。その検討項目の一つとして、部品・原材料を関税などの賦課が保留されている状態、つまり保税の状態で輸入し、完成品を輸出する保税委託加工貿易において、優遇制度として利用できる保税手冊と、保税貨物の管理上の課題とその対応策についてまとめてみた。
筆者は、かつて日系メーカーの中国工場に勤務した経験があり、中国関係のガイドブックの参照や他のコンサルタントとの交流も行っていたが、保税手冊については、その制度の説明が表面的になされているだけであり、また保税貨物の管理に関しては、その記述がほとんど見当たらないことに気づいた。
今回それを著書として発表することにより、保税加工貿易が円滑に行われ、企業の当初の進出目的が達成されることや、また経営コンサルタントの方々が企業を指導する上でのガイドとしたいということの2点が、本著書出版の最大の目的である。
生産拠点としての中国の重要性は今後も増してゆくと思われる。今回の著書が企業やコンサルタント等の方々の問題解決の糸口になり、さらなる研究、実践や応用への繋がってくれることを願ってやまない。
なお、本書は紙による手冊管理に関する解説を行ったものである。
以下に本書の目次を示す。
目 次
はじめに
Ⅰ.概要 - 本書出版の趣旨・ねらい
1.保税貨物の管理の現状
2.保税加工取引の現状
Ⅱ.保税手冊の仕組み及び保税貨物の管理について
1.加工貿易と保税手冊について
(1)加工貿易の分類
(2)加工貿易の優遇制度
(3)保税手冊による輸入品管理の仕組み
2.保税貨物の管理規定
Ⅲ.保税貨物の管理上の課題及び対策
1.手冊の申請
2.手冊の変更
3.手冊の消し込み
4.発注
5.実物管理
(1)保税品・非保税品の実物管理
(2)受入~ストア~仕掛かり~完成までの管理
6.保税廃棄物の管理
Ⅳ.企業を経営指導する上での方向性
1.全社的な指導
2.保税業務のコンサルティングの進め方
3.企業に対するチェック項目
(1)紙手冊申請・変更業務
(2)紙手冊消し込み業務
(3)貿易方式・通関パターン
(4)受注・受入業務
(5)部品在庫管理業務
(6)実績管理・受注・出荷
WTO加盟以降、中国の貿易事情は変化を続けている。貿易取引が自由化・開放化されるという方向は間違いないであろうが、最近の税関の動向は、原則ルールをより企業に要求してきているように見受けられる。
税関の動向に係わらず、企業はコンプライアンス重視の点から保税貨物の管理を強化する必要がある。今回はその視点から本書を発行した。
保税貨物の管理で見てきたことは、投入・加工・産出という生産そのものに関係する。そして、そのことにより、企業自体の業務レベルの向上によるオペレーションの最適化につながり、結果として棚卸精度の向上、歩留まりの改善などでコスト削減に結びついて行く。保税管理の強化は、言い換えれば、企業全体の製造オペレーションの強化であるとも言える。
最後に、本書が保税委託加工貿易に従事する方たちのみならず、中国ビジネスに携わる方たちの参考になり、日中間の貿易取引の円滑化に少しでもお役に立てることを願ってやまない。
Chuugoku Niokeru Hozeiitakukakoboeki Nikannsuru Yuguseido: Hozeitesatsu No Riyoho Oyobi Hozeikamotsu No Kanrijyo No Kadai To Taiosaku (Japanese Edition)
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