◉はたして男は、団地から脱出することができたのか!?
とにかく今日は家を出よう! とにかく団地から外へ出なければならない! 週刊誌でゴーストライターをする〈男〉は、ある朝、自宅のベランダから見た富士山から受けた、名づけ難い衝撃によって何かを打ち砕かれ、そう決意する。打ち砕かれたものが何かは、わからない。団地と団地のために土地を売った百姓たちが住む土地とを区切る、バイパスに架かる歩道橋を渡って脱出を試みるが——。「文学界」1970年2月号に発表された短編小説。単行本『何?』(新潮社・1970年)所収。
> ◉後藤明生(ごとう・めいせい)
> 一九三二年四月四日、朝鮮咸鏡南道永興郡永興邑生まれ。敗戦後、旧制福岡県立朝倉中学校に転入。早稲田大学第二文学部露文学科卒。在学中の一九五五年、「赤と黒の記録」が全国学生小説コンクールに入選、「文藝」に掲載。卒業後、博報堂を経て平凡出版に勤務。一九六二年、「関係」で文藝賞佳作。一九六七年、「人間の病気」で芥川賞候補。翌年、専業作家に。一九七七年、『夢かたり』で平林たい子文学賞、一九八一年、『吉野大夫』で谷崎潤一郎賞、一九九〇年、『首塚の上のアドバルーン』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。一九八九年、近畿大学文芸学部の設立にあたり教授に就任。一九九三年より同学部長を務めた。一九九九年八月二日、逝去。
Dare Goto Meisei denshishoseki collection (earlybird books) (Japanese Edition)
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