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    Deguchi Onisaburou Koudou-Ishin Ronsyuu 2: Tensan Jikyuu no Kokka Keizai (Japanese Edition)

    Por Deguchi Onisaburo

    Sobre

    日本の霊的巨人・出口王仁三郎の政治改革論「皇道維新」に関する著述を集めました。あまり世に知られていない文書ばかりです。
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    「編者まえがき」より

     本書は出口王仁三郎の「皇道(こうどう)維新」に関する著述を集めたものである。
     王仁三郎の発言は、神霊界の動きや霊魂の存在、未来予言、安心立命の方法といった、一般に宗教が扱うジャンルから、教育、食養、医療、古代史、天文・地文、芸術、さらには恋愛論まで、多岐多様に亘る。その中でもっとも政治的な発言が、この皇道維新論である。

     大本は明治二十五年(一八九二)に丹波の綾部で出口ナオによって端緒が開かれ、その娘婿となった王仁三郎により組織化・体系化されて行った。
     その目覚ましい躍進に恐れた帝国政府に、大正十年(一九二一)二月と昭和十年(一九三五)十二月の二度に亘り大弾圧を受けたが、一度目の弾圧の前に王仁三郎は「大正維新論」を唱えていた。それが昭和に入ると、「昭和維新」あるいは「皇道維新」と名を変えた。

     大正維新も昭和維新・皇道維新も中味は同じだが、比較してみると、大正時代は大本開祖・出口ナオが受けた神示『大本神諭』を掲げて論を展開しているので、しょせんは大本という一つの宗教団体の活動であると世間一般の人は思ってしまうことだろう。
     だが昭和に入ると王仁三郎は『大本神諭』を最小限に引っ込めて、「大本」ではなく「日本」の指導原理として「皇道」を高く掲げたのだ。
     それによって王仁三郎の主張は「大本」を飛び出して普遍性を獲得した。昭和九年七月に結成された救国運動「昭和神聖会」は、政治家・軍人・学者・文化人から宮中まで巻き込んで日本中を席巻し、わずか一年間で八百万人もの賛同者を集めるに至ったのである。当時の内地人口(約七千万人)の一割以上もの国民が、王仁三郎のシンパとなったのだ。
     天皇絶対の時代において、これほどまでに民衆の支持を集めたカリスマは他にはいないだろう。
     しかしそれがために帝国政府の脅威となり、近代日本宗教史上最大と言われる大弾圧へとつながって行った。

     当時の世情は現代ととても似ている部分が多い。貧富の格差の拡大や、欧米に頭の上がらない弱腰外交、政界の混乱、戦争の危機、一部の人間が巨万の富を握り社会を思うがままに操っている構造など、今でも相変わらずである。そのような社会不安の中で、日本が世界で果たすべき使命感が日本人のハートの中に高まって行った。それを糾合したのが王仁三郎だったと言える

     王仁三郎は明治三十一年(一八九二)二十六歳のとき、丹波・亀岡の高熊たかくま山やまで霊的修業を行い、救世の使命に覚醒したが、すでにその年から「皇道」を唱え出したという。
     それから百二十年近く経とうとしているのに、人類は未だにそれらの問題を解決できないでいるが、そろそろ世界が「皇道」に目覚める時期が来たように思う。戦前の大日本帝国の時代は日本の使命を武力によって他国へ強要したが、それでは受け容れられずに反発されてしまう。しかし現代では逆に外国の方から積極的に、日本文化が評価され、日本の役割が期待されている。日本が世界で果たすべき使命を果たすべきときが訪れたのである。

     皇道維新論の中で特に目立つ主張は、「土地本位制」にして「御稜威みいづ紙幣」を発行せよ、ということだ。これはいわゆる「政府紙幣」のことだと言っていいだろう。御稜威紙幣を一千億円発行すれば経済問題はたちまち解決すると王仁三郎は言う。また、税金を廃止せよとも言っている。そしてこれらは王仁三郎が考えた人為的な政策・アイデアなのではなく、日本古来から存在する天地自然の法則(天地の公道)なのである。
     天皇を中心とする「世界大家族制」の導入も然り。人が考えた作為的な政治思想で汚染されている近代合理主義から見たら、ただのファシズム思想に思えてしまうかも知れないが、天地自然の法則という観点から見たときに初めて、王仁三郎が言わんとしている社会が見えてくる。
     そしてそれが、神が目ざす「みろくの世」の在り方だと言えるだろう。


     本書の「一」には、「皇道維新について」と「世界の経綸」の二編を収録した。前者は大正六年に「大正維新について」という題で発表されたもので、後者も大正七年に発表されているが、昭和十年十月(第二次大本事件の二ヶ月前)に両者を合わせて『皇道維新と経綸』という本になって発行されている。王仁三郎の皇道維新論の中核となる文書である。
     また「二」には、皇道維新論を補完するその他の文書を年代順に並べて収録した。主に、昭和神聖会が結成された昭和九から十年にかけて発表されたもので、読んで行くと、「皇道維新」こそ、王仁三郎が〝一番やりたかったこと〟なんだということが強く感じ取れるものばかりである。

     なお、本書に掲載した王仁三郎の著述の原文は、私が運営するウェブサイト「王仁DB」(王仁三郎データベース)に登録してある。しかし大正~昭和初期に書かれた文章のため、慣れていないとかなり読みにくい。
     本書はそれを、現代人に読みやすいように現代仮名遣いに改め、難しい言葉には若干の説明を入れて、読みやすく分かりやすくしたものである。

     本書を読んで、「みろくの世」を創るための足がかりにしていただければ幸いである。

       平成二十七年四月


    編者 飯塚弘明

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    出口王仁三郎 皇道維新論集 目次

    【一】

    ●皇道維新について(大正維新について)
     第一章 世界大家族制度の実行
     第二章 財政経済の根本革正
     第三章 国家経済の本義
     第四章 金銀為本の国家経綸策排除
     第五章 国家家族制度と社会主義
     第六章 天産物自給の国家経済
     第七章 食糧問題
     第八章 住宅問題
     第九章 日本国民の大任務
     第一〇章 皇典古事記
     第一一章 租税制度の撤廃
     第一二章 和光同塵の政策
     第一三章 皇道維新の要点
     第一四章 天下統治の御神文
     第一五章 天の声
     第一六章 国運発展の本
     第一七章 経済的家族制度
     第一八章 神聖なる皇訓
     第一九章 千載一遇の時機
     第二〇章 世界大家族制度の根本義

    ●世界の経綸
     第一章 天津日嗣天皇
     第二章 皇国御経綸の基礎
     第三章 神聖なる皇霊の御親政
     第四章 国家経綸の根本機関
     第五章 国家の経済
     第六章 八千矛神歌
     第七章 皇道経綸の根本要義
     第八章 財政経済の根本変革
     第九章 天産自給
     第一〇章 教育制度の根本革正

    【二】

    ●出口王仁三郎氏に物を訊く座談会(昭和八年八月)
     国際経済会議/著述が一番の労働/教育が根本/経済封鎖/本位貨幣/日本は外国と違う/国教樹立/価格の変動
    ●日本の危機と皇道経済(昭和九年六月)
    ●皇道経済我観(昭和九年七月)
     皇道/行き詰まり/皇道政治/皇道経済/至尊至貴/皇典『古事記』/土地本位/土地拝借権/無限の宝庫/物価公定/海外貿易/大神約/軍農中心/国防と産業/宗教と教育/秋は来れり
    ●統管随筆(一)(昭和九年十月)
     大家族国日本/神聖統制/人類を幸福にする道/皇道経済の福音/皇道政治/神国/絶対服従/合法的/英雄/知時代/邁進/非常時/万世一系/総本部/命令重大/
    ●統管随筆(二)(昭和九年十一月)
    ●肇国皇道の大精神(昭和九年十一月)
     ウラルの嵐・太平洋の荒波/大聖雄出現を待望する叫び/身命を賭して非常時を打開/皇民天賦の使命達成を期す/皇道は宗教に非ず治教なり/我が国には現人神があらせらる/日本には天皇あって皇帝なし/我が国は天立君主立憲制の国/帝国にあらず皇国なり/外国魂がわが日本に浸潤す/役所にも学校にも大神様を/世界を導く日本の大使命/この非常時打開の鍵は何か/皇国民は皇国の手足・胴体/国土は神様から御引継ぎ/土地拝借権と思えばよい/土地為本及び御稜威為本/総て免税し汽車も無料に/主要物価の公定と外国貿易/物資はありあまっている/どこまでも自主的外交たれ/言葉から見ても日本人が第一/日本人か外国人か判らない/死神死仏は何にもならぬ/天皇陛下は現人神にまします/皇国民覚醒の秋は来れり/国防の充実と農工商の隆昌/万民救済至仁至愛の御心
    ●随筆(一)(昭和十年一月)
    ●随筆(二)(昭和十年二月)
    ●皇国日本は天立君主立憲国なり(昭和十年四月)
    ●万民和楽の世(政教一如が皇道日本の真面目)(昭和十年四月)
    ●予が「皇道経済」を提唱する所以(昭和十年五月)
    ●『神聖運動』とは何か(昭和十年七月)
     一週年に際して/皇道維新の道/祭政一致の本義/皇道外交の確立/皇道教育の基礎/人類愛善の大精神/昭和神聖会の使命
    ●亜細亜問題の解決を語る(昭和十年八月)
    ●回顧四十年(昭和十年十月)
     苦闘四十年/内患また多し/東亜経綸/昭和維新/霊主体従の道

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