帝政ロシア末期に特異なスタイルと幻視的なヴィジョンによって異彩を放った天才画家ミハイル・ヴルーベリ(1856―1910)。若き日のピカソに影響を与えた彼の、不遇な青年期から遅すぎた栄光、そして悲劇的な晩年を、激変する同時代のロシア史を背景にモザイク画のように描きだした長編小説。読みやすいレイアウトの分冊版。
全6巻のうち第4巻の本書は、1899年から1902年までを描いた「デーモンの墜落」を収める。ヴルーベリや彼の友人達の恩人であるサーヴァ・マモントフの鉄道事業は窮地に陥り、彼が創立した私設歌劇団の運命も危うくなった。歌劇団員や舞台美術で協力してきた画家達の間には動揺と確執が生じ始めた。一方、デャーギレフ達の「芸術世界」グループは第一回の展覧会を開き、テニーシェヴァ侯爵夫人の財政支援で雑誌を刊行していた。ヴルーベリは違和感を感じながらも彼らやウィーン分離派と接触し、自分の名声を確立するはずだと彼が考えるデーモンの大作に取り組み始めるのだったが・・・・・・。
登場人物の紹介ページ付き。
Demon no Tsuiraku Taosareta Demon Bunsatsu-ban (Japanese Edition)
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