■『デジタル日本語論――ワープロの誕生と死』刊行に寄せて
長く模索されてきた日本語の機械処理、その宿願がコンピュータ技術と出会いによって果たされる。日本語ワープロが誕生した経緯を調査し、かな漢字変換の実用化を進めた研究者たちがどのような日本語観の下で作業を進めたかの軌跡を辿った一冊。そして実用化された日本語ワープロが、マクルーハンの表現を使えばまさに「メディア」としていかに日本語使用者の身体を拡張したのか、日本語ワープロというテクノロジーが日本語のコミュニケーションをどのように変容させたか。マン=マシンインターフェイス研究者、アフォーダンス研究者、書記言語と口述言語の交錯を研究する歴史社会学者やかな漢字辞書開発者、日本語教育者などへの聞き取り取材を踏まえて考察する。
1995年にジャストシステムより刊行された『メディアとしてのワープロ――日本語はいかに電子化されたか』に、インターネット元年と呼ばれた1995年以降の状況を加筆し、改題した。
――2014年8月1日 武田徹
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【もくじ】
電子版はじめに
第1部▼日本語はどのように電子化されたのか?
第1章▼書く機械との出会い:作家になったのはワープロと出会ったから●高村薫
第2章▼日本語を機械で扱うためには:かな漢字変換システムの研究に捧げた人生●栗原俊彦
第3章▼研究室からメーカーへ:研究の対象から商品化へ●沖電気・NHK技術研究所
第4章▼ワープロの第一号機誕生:シャープの試作機と東芝JW―10●シャープ・東芝
第5章▼使いやすい日画本語入力キーボードを目指して:親指シフトキーボードの開発●富士通
第6章▼日本語に影響を与えるワープロ:辞書電脳辞書の国語学●箭内敏夫
第7章▼万能辞書は存在する?:ワープロソフト「松」「一太郎」の開発●管理工学研究所・ジャストシステム
第2部▼日本語を変えるワードプロセッサー
第8章▼文章創作の機械として:ワープロで文章が変わった●紀田順一郎
第9章▼日本語を認識するということ:認知科学からみたワープロ●佐々木正人
第10章▼より使いやすいワープロを求めて:認知工学からみたワープロ●原田悦子
第11章▼電子メディアと書物メディア:社会学者がみたワープロ●佐藤健二
第12章▼ワープロがもたらした新しい出版物の形:ガリ版からDTPへ●津野海太郎
第13章▼ワープロを用いた教育の可能性を探る:子供と留学生の教育にワープロを●任都栗新
第14章▼結局、ワープロは、我々に何をもたらしたのだろうか
第15章▼改めて、結局、ワープロは我々に何をもたらしたのだろうか:二〇一四年版増補
【著者略歴】
武田徹(たけだ・とおる)
ジャーナリスト、評論家、恵泉女学園大学人間社会学部教授。一九五八年生まれ。国際基督教大学教養学部を経て、同大学大学院比較文化研究科博士課程修了。メディアと社会の相関領域を主な執筆対象とするとともに、国際基督教大学、東京大学、恵泉女学園大などで、メディア、ジャーナリズム教育に携わってきた。BRC(放送と人権等権利に関する委員会)委員(二〇一二年まで)。著書に『流行人類学クロニクル』(日経BP社、サントリー学芸賞受賞)、『戦争報道』(ちくま新書)、『殺して忘れる社会』(河出書房新社)、『私たちはこうして「原発大国」を選んだ——増補版「核」論』(中公新書ラクレ)、『原発報道とメディア』(講談社現代新書)、『暴力的風景論』(新潮選書)など多数。武田徹アーカイブによる電子書籍に『NHK問題 二〇一四年・増補改訂版』がある。
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