【電子顕微鏡アトラス ラットの正常構造(1) 肝臓について】
ヒトを含めた動物の各種臓器や組織の電子顕微鏡による超微形態によるアトラス本はない。
医学、農学、薬学あるいは栄養学分野で、ラットは代表的な実験動物である。
そこで、正常ラットの臓器あるいは組織別による光学顕微鏡観察も含めた電子顕微鏡アトラス本を作成する事にした。このアトラス本はラットのみならずヒトおよび実験動物を用いた研究の基礎的データとして、多くの研究者にとって役に立つものと信じる。
まず、手始めとして多数の電顕写真を用いて肝臓の電子顕微鏡アトラス本を作成した。
【はじめに】
医学、薬学、農学あるいは栄養学などの多くの分野で、ラットは代表的な実験動物である。我々も医学部の基礎科学に所属して永年にわたりラットなどの動物の諸組織を電子顕微鏡観察してきた。
電子顕微鏡画像を見て組織や細胞の像が理解できない事が多く、本や論文を調べることが多々ある。それらの本の多くは解剖学的立場からの肉眼、組織学的記載であり電子顕微鏡写真は少ない。また、これらの教科書では、ヒトを含むラット、マウスあるいはイヌなどの種々の動物が並列して記載されており、動物差による異なった組織・細胞について言及される事はない。漠然と、多くの研究者がヒトを含めた各々の動物が異なっている事があることに気付いてはいる。そこで、一種類のみによる動物の電顕アトラス本は意味のあるものと考えた。
また、電子顕微鏡写真が中心となる論文では細胞内小器官の記載が主となり組織の理解には向いていない。論文は何が知られてなく、何が新たに明確になったか報告するものである。その為に必要のない電子顕微鏡写真は論文に記載されないので、一つの組織を理解する為に複数の論文を探し、読まねばならない。
電子顕微鏡観察による微細構造は細胞の特徴を良く現わしており、その微細構造と機能は良く相関する。しかし、電子顕微鏡が広く研究や病理診断に使われているとは言い難い。その理由として技術的に難しい事もあげられるが、長き年月培われた光学顕微鏡による組織学的知見と電顕所見が一致しない事にもよる。
臓器ごとの微細構造を参考にできる本はないと言える。そこで、正常ラットの各種臓器・組織ごとに超微形態写真を中心としたアトラス本を作成する事にした。形態学的あるいは電子顕微鏡を用いて研究する方々の一助になれば幸いである。
目次
写真1 肝臓組織の光学顕微鏡写真
写真2 門脈域portal area
写真3 胆管bile ductと肝動脈hpatic artery
写真4 胆管上皮細胞bile duct epithelial cell
写真5 介在部intercalated portion(へリング管Hering duct)
写真6 中心静脈central vein
写真7 中心静脈central veinと結合組織connective tissue
写真8 肝細胞索hepatic cordと類洞sinusoid
写真9 肝小葉hepatic lobule
写真10 クッパ-細胞kupffer cellと脂肪貯蔵細胞lipid storing cell
写真11 脂肪貯蔵細胞lipid storing cell
写真12 クッパー細胞Kupffer cell
写真13 ピット細胞pit cell (NK細胞)
写真14 肝細胞hepatocyte
写真15 肝細胞hepatocyte の細胞内小器官hepatocyte organelleの形態計測
写真16 肝細胞hepatocyteの粗面小胞体rough ERと滑面小胞体smooth ER
写真17 連続している粗面小胞体rough ERと滑面小胞体smooth ER
写真18 ゴルジ装置領域 Golgi complex area
写真19 ゴルジ装置Golgi complexと滑面小胞体smooth ER
写真20 核膜 nuclear envelopeと滑面小胞体smooth ER
図1 肝細胞の細胞内小器官hepatocyte organelleの模式図
ヒトを含めた動物の各種臓器や組織の電子顕微鏡による超微形態によるアトラス本はない。
医学、農学、薬学あるいは栄養学分野で、ラットは代表的な実験動物である。
そこで、正常ラットの臓器あるいは組織別による光学顕微鏡観察も含めた電子顕微鏡アトラス本を作成する事にした。このアトラス本はラットのみならずヒトおよび実験動物を用いた研究の基礎的データとして、多くの研究者にとって役に立つものと信じる。
まず、手始めとして多数の電顕写真を用いて肝臓の電子顕微鏡アトラス本を作成した。
【はじめに】
医学、薬学、農学あるいは栄養学などの多くの分野で、ラットは代表的な実験動物である。我々も医学部の基礎科学に所属して永年にわたりラットなどの動物の諸組織を電子顕微鏡観察してきた。
電子顕微鏡画像を見て組織や細胞の像が理解できない事が多く、本や論文を調べることが多々ある。それらの本の多くは解剖学的立場からの肉眼、組織学的記載であり電子顕微鏡写真は少ない。また、これらの教科書では、ヒトを含むラット、マウスあるいはイヌなどの種々の動物が並列して記載されており、動物差による異なった組織・細胞について言及される事はない。漠然と、多くの研究者がヒトを含めた各々の動物が異なっている事があることに気付いてはいる。そこで、一種類のみによる動物の電顕アトラス本は意味のあるものと考えた。
また、電子顕微鏡写真が中心となる論文では細胞内小器官の記載が主となり組織の理解には向いていない。論文は何が知られてなく、何が新たに明確になったか報告するものである。その為に必要のない電子顕微鏡写真は論文に記載されないので、一つの組織を理解する為に複数の論文を探し、読まねばならない。
電子顕微鏡観察による微細構造は細胞の特徴を良く現わしており、その微細構造と機能は良く相関する。しかし、電子顕微鏡が広く研究や病理診断に使われているとは言い難い。その理由として技術的に難しい事もあげられるが、長き年月培われた光学顕微鏡による組織学的知見と電顕所見が一致しない事にもよる。
臓器ごとの微細構造を参考にできる本はないと言える。そこで、正常ラットの各種臓器・組織ごとに超微形態写真を中心としたアトラス本を作成する事にした。形態学的あるいは電子顕微鏡を用いて研究する方々の一助になれば幸いである。
目次
写真1 肝臓組織の光学顕微鏡写真
写真2 門脈域portal area
写真3 胆管bile ductと肝動脈hpatic artery
写真4 胆管上皮細胞bile duct epithelial cell
写真5 介在部intercalated portion(へリング管Hering duct)
写真6 中心静脈central vein
写真7 中心静脈central veinと結合組織connective tissue
写真8 肝細胞索hepatic cordと類洞sinusoid
写真9 肝小葉hepatic lobule
写真10 クッパ-細胞kupffer cellと脂肪貯蔵細胞lipid storing cell
写真11 脂肪貯蔵細胞lipid storing cell
写真12 クッパー細胞Kupffer cell
写真13 ピット細胞pit cell (NK細胞)
写真14 肝細胞hepatocyte
写真15 肝細胞hepatocyte の細胞内小器官hepatocyte organelleの形態計測
写真16 肝細胞hepatocyteの粗面小胞体rough ERと滑面小胞体smooth ER
写真17 連続している粗面小胞体rough ERと滑面小胞体smooth ER
写真18 ゴルジ装置領域 Golgi complex area
写真19 ゴルジ装置Golgi complexと滑面小胞体smooth ER
写真20 核膜 nuclear envelopeと滑面小胞体smooth ER
図1 肝細胞の細胞内小器官hepatocyte organelleの模式図