Gennekikyoudaiseiga Gennzaimotomerareteirushougaishashiennnitsuite Tamenntekinikousatsusuru (Japanese Edition)

現在の日本において、ある種のトレンドとも言える発達障害。
しかし、小学校の普通学級の中に40人中２～３人の割合で発達障害を抱える子供が存在していると言われている割には、発達障害を抱える子供をどのように教え導いていくべきかというガイドラインは確立していないのが現状である。
その背景には、「発達障害の診断基準には客観的な基準が存在しない」というものが挙げられる。
発達障害の症状として挙げられるもので一般的なものとしては、「空気が読めない」、「落ち着きがない」といったものが挙げられるが、実際、何をもってその症状を発達障害と定義するのかが極めて曖昧で不明瞭なのである。
すなわち、発達障害と診断されるか否かは、住んでいる文化圏などによっても変わり得る、ということになる。（例えば、日本では欧米諸国よりも空気を読めない人が発達障害と診断されやすいかもしれない、といったようなこと）
それゆえに筆者も、どのように発達障害者の支援について書いたら良いのか当初は迷ったのであるが、様々な視点から切り込むことによって、一般性を失わずに、個別具体的な事例に踏み込むことに成功した。
ちなみに、発達障害を抱える子供に対する支援だけでなく、発達障害を抱えながら就職を控えた人や、結婚した後に発達障害が発覚した人に対する支援についても触れている。
その理由は、現在の子供に対する支援体制はそれなりには整っているのであるが、現在成人の発達障害者の大半は何の支援も受けずに成長しているために、うつ病に代表される二次障害に苦しめられているからである。
二次障害について知らない方は、私の著書を是非参照されたい。
さて、ここで疑問に思われた方もおられるかもしれない。何故、障害者支援を謳っているのに発達障害についての内容ばかりを紹介しているのか、と。
その理由は大きく分けて二つある。
一つは、私自身が20歳の時に発達障害と診断されていることである。自分が発達障害と診断されているだけに、発達障害に対する興味が、様々な障害の中でも最も大きいものになったのである。（身体障害などの他の障害についても、著書において多少は触れているのであるが。）
そしてもう一つは、一番最初に書いたような、発達障害のトレンド性である。
最近、テレビ番組などでも発達障害について取り上げられる機会が以前よりもぐんと増えたのは間違いない。
それを受け、今書くと最も人々に良い影響を与え得るトピックは、障害関連では発達障害なのではないか、と考えたのである。（ちなみに、著書のタイトルに京大生云々書いたのは、自慢したいからではなく、このようなタイトルにした方が真面目に読んで下さる方が増えるかな、と考えたからである。）
内容紹介は以上である。他にも様々なことを書いたが、是非それらに関しては私の著作を実際に購入して参照されたい。