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    Gijyutsu Taikoku Nippon wo Torimodosou (Japanese Edition)

    Por Kengo Sakaguchi

    Sobre

    1 はじめに
     技術大国日本を取り戻そう、「?」、何いっているのか。取り戻さなくても、今でも既に世界トップ級じゃないか?

     そう思います?
     私は理科系の大学教授ですが、そうは思わない。
     自宅の家の中を見て下さい。
     アイデアに富む機器類は外国製が多い。
     掃除機・扇風機・湯沸かし器・コーヒー沸かし器・その他いろいろ。
     炊飯器はアイデアに富んでいるが、他に何があります?
     そんな家電などはもう時代遅れなんだよ、他を見よ!
     他?
     自動車、ロボット、確かに。

     でもこれら、私は液晶の過去を思い出しちゃうんですよね。
     僅か10〜15年前、その斬新性を謳われて物凄い利益率を誇った会社があった。
     彼らの今の姿の説明などいらない。
     同じようなことがあちこちで起きている。
     その観点で見ると、自動車、ロボットも明日は我が身。
     これらも、もう何処でも作れるような普遍的な技術なんですよね。
     改良だけではいつか破れる。

     こういう状況に陥るのは、アイデアは前からあり、只改良を加えただけの世界だったからですよ。
     これはかっての高度成長の頃の日本の独断場だった。
     今、韓国、台湾、中国、そして更にインド、南米など、もうかっての日本と同じことが出来るようになった。
     何の改良品を出してもアッという間に追いつかれ、向こうのがお値段が安い。
     携帯電話をガラパゴス化するまで大改良と工夫をやり、何が起きましたかねえ?
     スマフォを思い出して下さい、タカを括っているとちょっと技術転換が起きれば、勝てる訳ないですよね。
     1990年代に良く言われたこと思い出して下さい。
     経済学者曰く「購買力が上がらないことが今の不景気の理由」。
     街角のインタビュー。
     若者達、中年達、答えて曰く「もうこれ以上欲しいものなんかないよ」。
     皆、消極的な安全第1、そして斬新な技術開発意欲も野心を失い、それまでの財産の小手先改良に終始。
     今、この有様。
     
     自動車だって電気化したら、条件何処でも同じになり先行メリットなんて全て消滅ですよ。
     ロボット?
     今や何処でも同じですよ、人への装着ロボットなど素材の根本的な変遷が起きない限り大発展はない。
     みんなゼロからの出発。
     日本が先行しているメジャー技術なんて、もはやないですよ。
     マイナーな話ならようけありますがね。
     でもそんな話、韓国、台湾、中国、そして更にインド、南米に行ってもようけあります。
     先進国に行けばもっとありますな。

     実際の近未来を征すると言われた影の主役、高度な医療機器装置・施設となると、2016年もはや全面敗北、撤退中しかない。
     新幹線・飛行機?
     このライバル国は何処ですかね?

     どうすりゃよいのか?
     それを考えたい、そして提案したい。


     非常に役立つ参考例がある。
     これと同じ状況、いやもっと深刻な状況に陥った国が過去にあった!
     1970〜1980年代のアメリカである!
     日本の産業に破れ、もう国中が自信を失っていた。
     その頃、日本のプロ野球の代表チームとアメリカのメジャーチームの親善試合があった。
     7試合程度やり、日本側が圧倒的に勝ち越した。
     舐めていた相手にボロカスに打たれた。
     「Baseball, too !」、これは翌日のアメリカの有力新聞のタイトルであり、テレビニュースの冒頭インタビューである。
     国技が「too !」ですよ!
     今の日本、まだここまでは落ちぶれ果てていない。

     日米の旅客機共同開発で、多数の(多分200人以上の)日本側のエンジニア達がシアトルのアメリカの会社に行き協議して設計に参加した。
     その能力の高さに驚愕、「Airplanes, Next !」と話題になる(1980年代初頭、自動車で全米が席巻され出した頃である)。

     今、日本の状態はこの1970〜1980年代のアメリカ大企業のサマそっくり、いや、まだまだ、これからまもなくと言った方が正確かも。
     末期症状が起き出すと、何とか鼓舞しようと自画自賛が始まる。
     今の日本のテレビやマスコミ、世界に誇る日本の技術!!!などという番組やニュースが溢れ、あまつさえ素人の一般外人(観光客など)にインタビューして誉めさせるなどと言う自画自賛。
     お恥ずかしいの一語。

     家電は撤退、次の“メジャー”商品は何か?
     自動車は電気化。
     ロボットはこれからの製品開発のアイデア(もはや追いつかれ、先行などしていない)。
     航空機?鉄道?スマフォ?IT?コンピュータ? 先進国だけでなく新興国にさえライバルだらけ。
     石炭火力発電はペケ、石炭依存の鉄を使う方向は減らさねばならない。
     エッ、鉄ダメ!
     日本の誇る製品は、ほとんどが鉄・金属製品である(「下町ロケット」の素材は何でした?)。

     今後の目指す独創製品などは、当面(と言っても既に20〜25年くらい前から)、経済産業省などは高級な医療機器装置などを挙げている。
     私はその方面の専門家でもある(放射線増感剤の開発など)。
     CT、MRIその他、超高価なものは今や全て敗退、病院の中、ドイツ製(アメリカ製、他のヨーロッパ製を含む)などばかり。
     焦って始めた重粒子線装置などは、周辺研究不足(機器開発企業が不慣れな領域なので、やりたがらない)で頓挫寸前。
     エッ???
     ちょっと説明しときましょうか?
     効果がふつうのX線治療とあまり変わらないためです。
     理由は癌の転移層が分からないからです。
     癌に集まり造影し放射線の効果を増感する(線量を安全域に下げる)医薬品の開発をしないからです(私の専門域の癌に集合する放射線増感剤開発)。

     よくマスコミで話題になる安価で大量生産時代に入っている内視鏡などにしか日本の先進技術はない。
     これは白物家電と同じで、もはや価格競争の段階(炊飯器と同じで辛うじて持っている)。

     なぜなのよ?
     大企業群は何処も変化を求めず、自前の製品の改良で誤摩化し先送りして来たからである(進取の気概はほぼゼロ)。
     進取の気概に満ちあふれ勝ち残り勝ち誇った1980〜1990年代で留り、その後は安定と安寧を求め、変化を求めない体質に変化した(この頃は、戦後の高度成長期に出た創業者達が全部消えていった時期)。
     安定を求めることは、不安定になることである。
     高度成長によって生まれた大企業群の終焉の時期が迫って来たことになる。


     うーん、もうダメなのか?
     そう楽観と悲観を往復しないで解決策を考えようではないか。
     その目的でこの本を書いています。
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