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    Hanamizake (Japanese Edition)

    Por Fujikawa Tomohito

    Sobre

     俳優として活躍している主人公の『私』は、あるテレビ番組の仕事で、卒業した故郷の中学を訪れていた。季節は春。校庭に植えられた桜の木が、満開の花を咲かせていた。
     彼は、桜の木について、ある想い出があった。それは、この中学に在学していた頃の、大切な想い出だった。桜を見ると、思い出すことがある。特に、母校の桜には。その想い出を、傍らのマネージャーに語り出す。
     中学時代。『僕』はどちらかと言えば、気弱でさえない少年だった。読書ぐらいしか趣味がなかった。ただ、つい朗読してしまうのが癖だった。ともあれ、退屈ではないが面白くもない毎日を過ごしている中、『僕』は、ある新任女性教師に出会う。その『先生』は、明るく、爽やかで、快活としていて、一切涙や弱音を見せない、芯の強い、見る者すべてを引きつけるような印象を持つ女性だった。自分にはない、活き活きとした魅力を放つ彼女に、『僕』は、淡い思慕の念を抱くようになる。しかし、具体的に歩み寄るような方法も、根性もない。もどかしいながらも、それでいいと思っていた。
     ある日の図書館。彼がいつものように本を読んでいると、偶然、先生に出会う。癖を聞かれたきっかけで会話が生まれ、『僕』は、恥ずかしさから戸惑う。ただの偶然だと思っていたら、後日、先生は彼を音楽室に呼んだ。先生は音楽担当ではないのにどうして、と訝しんでいると、「朗読を聞かせてくれ」と頼まれる。訳が分からないまま要望に応え、なんとなく、憬れの先生と秘密を共有したような気分になって浮かれる主人公。それは、先生が、学内に「演劇部を作る」と言い出す事への布石だった。『先生』から勧誘を受けた『僕』は、あの先生と、何か一つのことが出来る、と張り切り、入部を決意するのだった。公演予定は、秋の文化祭。『僕』の演劇部生活が始まった――。

    ゲームシナリオライター、不二川巴人が送る、純文学風青春物語。
    第25回『さきがけ文学賞』最終選考候補作品です。(選考時タイトル『桜の想い出』)
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