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    History of the Linguistic Contacts between Japan and Europe (Japanese Edition)

    Por Isamu HAYAKAWA

    Sobre

     『言語接触ヒストリア』は、ことばに関心のある一般の読者および大学生を対象に書き上げたものです。その内容は私がこれまで書いた本を基礎としています。ある意味で、それらの本の簡約版といってもよいでしょう。言語接触という興味ある分野を多くの方々と共有したいと考え、なるべくわかりやすい表現で書き直したつもりです。
     私が日欧の言語接触として取り上げるのは次のとおりです。
    第1話 日本とポルトガルの言語接触
    第2話 日本とオランダの言語接触
    第3話 江戸時代末期の漂流者、音吉とジョン万次郎
    第4話 英和辞典を生み出した社会状況と蘭学から英学への転向
    第5話 英学の勃興と英和辞典の誕生
    第6話 文明開化の道具としての英和辞典の発達
    第7話 ウェブスター辞書の英和辞典に与えた影響
    第8話 英和辞典における訳語の分化と深化
    第9話 オックスフォード系英語辞典と日本
    第10話 英語に入った日本語語彙
    第11話 日本文化を紹介した英語文献
    第12話 英語に入った日本語の語源
    第13話 言語接触と外来語
    第14話 森有礼の日本語廃棄論
    第15話 日本語改革の歴史‐「国字」の問題‐
    第16話 国語辞書の誕生とウェブスター辞書
    第17話 和英辞典の歴史
     本書は17話よりなりますが、話はいろいろなところから採ってきました。すでに論文として発表したものや、論文や著作にまでは至らなかったものなどです。このため、それぞれの話の書き方に統一を欠くきらいがあります。ある話は書簡の翻訳にすぎません。このような不統一は読む人にとって不都合なことかもしれませんが、逆にひょっとしたら楽しみかもしれないとひそかに願っています。
    まえがき
     私は長年、高校教師として日本語と英語の対照研究を行ってきた。それがいつの間にか辞書に強い愛着をもっていた。英語教師として辞書を引く機会が多かったことによるのだろう。日常的には各種の英英辞典を利用していたが、研究対象としては英和辞典の歴史に強い関心をもつようになった。特に、初期の英和辞典がいかに編纂されたかは興味の尽きないテーマである。『初期英和辞典の編纂法』は、私が大阪大学言語文化学研究科に提出した博士論文である。英和辞典編纂の歴史を主題としているが、英米辞書史との係わりにおいてその歴史を理解したいと考えた。また、拙著『ウェブスター辞書と英和辞典』は明治期の英和辞典をウェブスター辞書との関連において論じた。
     両著作は幸いにも学界において暖かく迎えられ、日本英学史学会より豊田實賞を授かった。この上ない喜びである。しかし、これらの著作は発行部数がきわめて少なかったため多くの人々に読んでいただくことができなかった。このため、両書をまとめ、さらに新たな章を加え、一冊の本として出版した。それが『辞書編纂のダイナミズム』である。この本の出版とほぼ前後して、科学研究出版助成を受け Methods of Plagiarism - A History of English-Japanese Lexicography- を世に送りだした。本書も私の著作であるので『辞書編纂のダイナミズム』と内容的に重複する点も多いが、執筆の観点はおおきく異なる。英語版は、辞書編纂と係わる理論や辞書学独自の問題点を考察している。また、英米の読者を対象としているので日本の事情についての解説も加えたし、英和辞典を中心としたかなり詳しい辞書年表も附録としてつけた。
     その後、日本を離れ英米の大辞典編纂家と向き合った。アメリカのウェブスターとかかわる100種類あまりの辞書を取り上げ、2004年に『ウェブスター辞書の系譜』、2014年に A Comprehensive Catalog of Webster's Dictionaries from 1806 to 2000 を刊行した。また、イギリスのジョンソンが編纂した辞書を啓蒙思想の観点から見直した。『啓蒙思想下のジョンソン辞書―知の集成を目指して―』(2013年)と『ジョンソンと「国語」辞典の誕生―18世紀巨人の名言・金言―』(2014年)である。さらに、それらと関連した論文をまとめ、2015年に『英米における辞書の歴史』として世に送った。
     これまでの私の研究は英語辞書学にほぼ限定されているが、私の本来的な研究領域は言語接触における諸問題の追求である。英和辞書の編纂は日本語と英語の言語接触の1局面にすぎない。2001年に、これまでの辞書に関する研究の集大成ともいうべき上記著作を日本語と英語で出版することができた。これを契機に、研究の幅をより広げたいと考えた。日本語と英語の接触における諸問題を研究したいと思い、当面の課題としては次の2点を取り上げた。1つは英語に入った日本語語彙の歴史的研究である。この点に関しては愛知大学より出版助成を受け、2003年に『英語のなかの日本語語彙』を刊行した。1600年から1910年ころまでに英米人によって書かれた文献のなかで日本語語彙がいかなる文脈のもとで使われているかを調査したその調査報告書である。この研究によって日本語語彙の初出年が明確となった。それにとどまらず文化交流史の面からも重要な研究である。最終的に2014年に A Historical Dictionary of Japanese Words Used in English (Revised and Corrected Edition) を刊行した。オックスフォード出版局は本書の価値を高く評価しOED 第3版に利用することを表明した。もう1つの問題は、明治以降において日本人が英語といかに接触したかを取り扱うものである。具体的には、日本語廃止論(日本語蔑視思想)の系譜を探る研究である。主に馬場辰猪と森有礼を取り上げ、2人の日本語や英語に対する言語観を探るなかで、その問題を掘り下げさらに日本人のなかにある母語蔑視の根源を突き止めたいと考えた。しかし、この面での研究はあまり進まなかった。


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