hiyakumangokuhikundensetu (Japanese Edition)

加賀本多家には、神君家康の遺訓が密かに伝えられていた。幕末、加賀百万石の執政となった本多政均は、本多家に属する〝狐〟たちが、代々伝わる「泡ながれの秘訓」実現のために働く集団と聞かされ、水戸家や井伊家にも「遺命」があると知り、家祖より伝えられた「泡ながれの秘訓」の存在を信じるようになる。あざやかに登場した水戸家出身の一橋慶喜に注目するが、時代はますます混迷を深め、禁裏守衛総督としての一橋慶喜は、水戸天狗党の西上に窮地に立たされ、さらには薩長との暗闘のすえ、ついには将軍職を拝命。加賀百万石の命運は、藩政改革とともに「泡ながれの秘訓」の実現をめざす本多政均の手に握られてゆくのだった。４００字詰め換算１５００枚を超える幕末長編小説。

序章・元禄の秘策　一章・加賀本多　二章・対面の間　三章・森屋敷　四章・執政見習　五章・世子帰封　六章・江戸上屋敷　七章・謎の公武法制　八章・卯辰山騒動　九章・江戸築地浜　十章・京都騒乱　十一章・発機丸　十二章・初上洛　十三章・八月の政変　十四章・伏見寺田屋　十五章・加賀勤王派　十六章・禁裏守衛総督　十七章・天狗党西上　十八章・英国策論　十九章・大政奉還　終章・二の丸廊下