isetsu hannnyasinkyouron (Japanese Edition)

般若心経は、日本では最も有名な仏教の経典である。
しかし、それが、インドのサンスクリット原典から漢語に翻訳された翻訳経であることは、意外に知られていない。
そして、３００字にも満たない短い経典であるにもかかわらず、書かれている内容について様々な解釈が存在し、未だに確定していないことも、知られていない。

本書は、現存する世界最古のサンスクリット写本である、法隆寺貝葉写本の記述を一字一句再検証し、現代語訳したものである。
既に、高名な中村元氏等の現代語訳が発表されているが、それら、既存の現代語訳・漢訳とはまるで違う内容の現代語訳が、導かれている。

第６章に詳しく書いているが、結論として、般若心経は経典（＝仏陀の教えを説いたもの）ではなく、「般若波羅密多」と名付けられた、トリップ体験をもたらす修行法のことについて書かれた書であることが導かれている。
そして、意識が肉体から分離・離脱し、彼岸世界（＝ニルバーナ）に達することが、「悟り」であることも。


信じられない結論かもしれないが、私は、この結論を、書籍やインターネット上のサイト等、公刊・公開されている資料だけを駆使して導き出した。検証は、誰にでも可能である。