富井篤著の既刊書の中から、すでに絶版となっている前置詞活用辞典、英語数量表現辞典、技術英語構文辞典(以上、三省堂)、技術翻訳のテクニック、続技術翻訳のテクニック(以上、丸善)と、現在も販売されている科学技術和英大辞典、科学技術英和大辞典、科学技術英語表現辞典、科学技術英語動詞活用辞典(以上、オーム社)など、9冊を厳選し、それらを解体してエッセンスだけを取り上げた上で加筆再編し、電子書籍の「技術英語 奥義と裏技」シリー ズとして順次出版しています。本書はその第13 巻目になります。
本書のメインテーマは、タイトルにもなっているように「翻訳の小技」です。相撲や柔道に「大技」「小技」があるように、翻訳にも「小技」があります。「縦のモノを横に」、「横のモノを縦に」する「大技」に比べ、一見地味で、ともすると大方の視界の外に置かれるものかもしれませんが、この技を欠くと、横綱が十両に転がされるような無様な目に遭ってしまいます。ぜひこの「小技」を手に取ってご覧いただきたいと思います。
以下に内容をごく簡単にご紹介します。
■品詞変換:英語においても日本語においても「副詞」が主役で、縦横無尽な働きをします。原文に引きずられず、自由闊達に翻訳することにより、翻訳に対する「度胸」がつきます。
__次の英文、どう訳しますか?
__This calculation is best done by a computer.
■補足説明:ネイティブも「ワンランク上の英語」と認める構文で、beingがポイントです。
__Radiation is one of the three basic methods of heat transfer, the other two methods being conduction and convection.
__まさに「目から鱗」が落ちる英語が習得できます。
■修飾語の位置:以下の英語には、大部分の日本人が犯してしまう間違いがあります。
_This service manual contains necessary information for maintaining and servicing the MED16605 disk exchanger.
__「何が何を修飾するか」、誤訳を避けるための言葉の有機的なつながりに目が覚めます。
■パラレリズム:「モノ」や「コト」を羅列する際の文法的属性の統一手法、新しい小技が身につきます。次の英例文にはおかしなところが2つあります。さてそれは?
_1. Clean the beaker.
_2. Place 2 mg of the reagent in the beaker.
_03. The temperature in the room should be no more than 25ºC.
■語・句・文の列挙:「モノ」や「コト」を羅列する際のさまざまな手法で、脳細胞が緻密になります。
__「動詞の後ろにはコロンを付けてはいけない」って本当? さて正解は?
■表現のバリエーション:路傍の柳は折る人の心に任せ, 野路の花は摘む主常ならず, ……
__これは、高山樗牛の「滝口入道」からの引用ですが、これを読んで「参った!」と思わない日本人はまずいないと思います。
__英語にも、こんな「表現のバリエーション」があります。
__Standardized systems can be employed for electronic problems, such as circuit board layout, while general purpose devices with proprietary
■パンクチュエーション:「セミコロンは記号ではなくことばである」しかも「14個の異なった意味を持つ言葉である」
__自己を超える、新しい英語独特の世界が広がります。
■ハイフン:新しい造語テクニックを習得することにより、簡潔な表現法が身に付きます。
__Don't do that with a cat-that-swallowed-a-canary smile.
__猫がカナリヤを飲み込んだような笑みを浮かべて、そんなえげつないことをするのではない。
目次
ご利用に際して
電子書籍発行に寄せて
まえがき
1. 品詞変換
__1.1 英語の「副詞」の典型的な訳し方
___★翻訳のヒント[1]:safe 即「安全である」ではない
___★翻訳のヒント[2]:some ___sとother ……s(または、others)
__1.2. 英語の「副詞」を日本語の「名詞」に
__1.3. 英語の「名詞」を日本語の「副詞」に
__1.4. 英語の「形容詞」を日本語の「副詞」に
___★翻訳のヒント[3]:大事な、助動詞の省略法
___★翻訳のヒント[4]: someの考察
__1.5. 英語の「副詞」を日本語の「形容詞」に
___★翻訳のヒント[5]:比例比較とは
__1.6 英語の「形容詞+名詞」を日本語の「副詞+動詞」に
2. 補足説明
__2.1. S1 + V1 + ……, S2 + 現在分詞 + ……
__2.2. S1 + V1 + ……, S2 +過去分詞 + ……
3. 修飾語の位置(語順)
__3.1. 英語における語順
___★翻訳のヒント[6]:fewは可算名詞に付ける否定語
___★翻訳のヒント[7]:基数詞に関するルール
__3.2. 日本語における句読点
4. パラレリズム
__4.1. 英語のパラレリズム
__4.2. 日本語のパラレリズム
___★翻訳のヒント[8]:Use __ to ensure ……
5. 語・句・文の列挙
__5.1. 文中に列挙
___★翻訳のヒント[9]: be動詞の用法
__5.2. 文とは別に列挙
___★翻訳のヒント[10]: 表現のバリエーション be referred to asとbe called
6. 表現のバリエーション
__6.1. 日本語の表現のバリエーション
__6.2. 英語の表現のバリエーション
___★翻訳のヒント[11]:図Xは、文頭ではFigure X、文中ではFig. X
___★翻訳のヒント[12]: apartは「___ だけ離れて」とか「___ だけ離れた ~」
7. パンクチュエーション
__7.1. カンマ
__7.2. コロン
___★翻訳のヒント[13]:動詞の直後のコロンは不可
___★翻訳のヒント[14]:「 何々は以下のとおり」は?
__7.3. セミコロン
___★翻訳のヒント[15]:セミコロンは意味を持っている!
__7.4. クォーテーションマーク
8. ハイフン
__8.1. 名詞と動詞をハイフンでつなぐ
__8.2. 名詞と分詞をハイフンでつなぐ
__8.3. hard (difficult, easy) - to - _____
__8.4. ハイフンでつないだ造語の例
__8.5. ハイフンを使った汎用語
あとがき
次巻のお知らせ
筆者からのお知らせ
編集後記
奥 付
本書はリフロー式の電子書籍です。技術翻訳や特許翻訳をお仕事にされる方, 英語論文を読み書きされる方, 技術翻訳を勉強される方々などに, お手持ちのKindle端末、スマートフォン、タブレット、そしてPC上で、本書のシリーズを気軽に読んでいただけたら幸いです。
著者略歴
富井篤: 1934年横須賀生まれ. 日本大学理工学部卒業. アメリカ系産業機械メーカーを退職後、(株)国際テクリンガ研究所を設立、爾来、翻訳歴40年、翻訳指導歴37年、執筆歴35年. 著作、訳本・CDを含め40冊
編集者略歴
渡辺恵子:東京出身、千葉大学薬学部卒業、薬剤師、大手食品会社研究所を退職後、1985年より主に医薬・化学関連の技術文書や論文などの翻訳に従事
本書のメインテーマは、タイトルにもなっているように「翻訳の小技」です。相撲や柔道に「大技」「小技」があるように、翻訳にも「小技」があります。「縦のモノを横に」、「横のモノを縦に」する「大技」に比べ、一見地味で、ともすると大方の視界の外に置かれるものかもしれませんが、この技を欠くと、横綱が十両に転がされるような無様な目に遭ってしまいます。ぜひこの「小技」を手に取ってご覧いただきたいと思います。
以下に内容をごく簡単にご紹介します。
■品詞変換:英語においても日本語においても「副詞」が主役で、縦横無尽な働きをします。原文に引きずられず、自由闊達に翻訳することにより、翻訳に対する「度胸」がつきます。
__次の英文、どう訳しますか?
__This calculation is best done by a computer.
■補足説明:ネイティブも「ワンランク上の英語」と認める構文で、beingがポイントです。
__Radiation is one of the three basic methods of heat transfer, the other two methods being conduction and convection.
__まさに「目から鱗」が落ちる英語が習得できます。
■修飾語の位置:以下の英語には、大部分の日本人が犯してしまう間違いがあります。
_This service manual contains necessary information for maintaining and servicing the MED16605 disk exchanger.
__「何が何を修飾するか」、誤訳を避けるための言葉の有機的なつながりに目が覚めます。
■パラレリズム:「モノ」や「コト」を羅列する際の文法的属性の統一手法、新しい小技が身につきます。次の英例文にはおかしなところが2つあります。さてそれは?
_1. Clean the beaker.
_2. Place 2 mg of the reagent in the beaker.
_03. The temperature in the room should be no more than 25ºC.
■語・句・文の列挙:「モノ」や「コト」を羅列する際のさまざまな手法で、脳細胞が緻密になります。
__「動詞の後ろにはコロンを付けてはいけない」って本当? さて正解は?
■表現のバリエーション:路傍の柳は折る人の心に任せ, 野路の花は摘む主常ならず, ……
__これは、高山樗牛の「滝口入道」からの引用ですが、これを読んで「参った!」と思わない日本人はまずいないと思います。
__英語にも、こんな「表現のバリエーション」があります。
__Standardized systems can be employed for electronic problems, such as circuit board layout, while general purpose devices with proprietary
■パンクチュエーション:「セミコロンは記号ではなくことばである」しかも「14個の異なった意味を持つ言葉である」
__自己を超える、新しい英語独特の世界が広がります。
■ハイフン:新しい造語テクニックを習得することにより、簡潔な表現法が身に付きます。
__Don't do that with a cat-that-swallowed-a-canary smile.
__猫がカナリヤを飲み込んだような笑みを浮かべて、そんなえげつないことをするのではない。
目次
ご利用に際して
電子書籍発行に寄せて
まえがき
1. 品詞変換
__1.1 英語の「副詞」の典型的な訳し方
___★翻訳のヒント[1]:safe 即「安全である」ではない
___★翻訳のヒント[2]:some ___sとother ……s(または、others)
__1.2. 英語の「副詞」を日本語の「名詞」に
__1.3. 英語の「名詞」を日本語の「副詞」に
__1.4. 英語の「形容詞」を日本語の「副詞」に
___★翻訳のヒント[3]:大事な、助動詞の省略法
___★翻訳のヒント[4]: someの考察
__1.5. 英語の「副詞」を日本語の「形容詞」に
___★翻訳のヒント[5]:比例比較とは
__1.6 英語の「形容詞+名詞」を日本語の「副詞+動詞」に
2. 補足説明
__2.1. S1 + V1 + ……, S2 + 現在分詞 + ……
__2.2. S1 + V1 + ……, S2 +過去分詞 + ……
3. 修飾語の位置(語順)
__3.1. 英語における語順
___★翻訳のヒント[6]:fewは可算名詞に付ける否定語
___★翻訳のヒント[7]:基数詞に関するルール
__3.2. 日本語における句読点
4. パラレリズム
__4.1. 英語のパラレリズム
__4.2. 日本語のパラレリズム
___★翻訳のヒント[8]:Use __ to ensure ……
5. 語・句・文の列挙
__5.1. 文中に列挙
___★翻訳のヒント[9]: be動詞の用法
__5.2. 文とは別に列挙
___★翻訳のヒント[10]: 表現のバリエーション be referred to asとbe called
6. 表現のバリエーション
__6.1. 日本語の表現のバリエーション
__6.2. 英語の表現のバリエーション
___★翻訳のヒント[11]:図Xは、文頭ではFigure X、文中ではFig. X
___★翻訳のヒント[12]: apartは「___ だけ離れて」とか「___ だけ離れた ~」
7. パンクチュエーション
__7.1. カンマ
__7.2. コロン
___★翻訳のヒント[13]:動詞の直後のコロンは不可
___★翻訳のヒント[14]:「 何々は以下のとおり」は?
__7.3. セミコロン
___★翻訳のヒント[15]:セミコロンは意味を持っている!
__7.4. クォーテーションマーク
8. ハイフン
__8.1. 名詞と動詞をハイフンでつなぐ
__8.2. 名詞と分詞をハイフンでつなぐ
__8.3. hard (difficult, easy) - to - _____
__8.4. ハイフンでつないだ造語の例
__8.5. ハイフンを使った汎用語
あとがき
次巻のお知らせ
筆者からのお知らせ
編集後記
奥 付
本書はリフロー式の電子書籍です。技術翻訳や特許翻訳をお仕事にされる方, 英語論文を読み書きされる方, 技術翻訳を勉強される方々などに, お手持ちのKindle端末、スマートフォン、タブレット、そしてPC上で、本書のシリーズを気軽に読んでいただけたら幸いです。
著者略歴
富井篤: 1934年横須賀生まれ. 日本大学理工学部卒業. アメリカ系産業機械メーカーを退職後、(株)国際テクリンガ研究所を設立、爾来、翻訳歴40年、翻訳指導歴37年、執筆歴35年. 著作、訳本・CDを含め40冊
編集者略歴
渡辺恵子:東京出身、千葉大学薬学部卒業、薬剤師、大手食品会社研究所を退職後、1985年より主に医薬・化学関連の技術文書や論文などの翻訳に従事