この本は、次のような人のために書きました。
・ 「嫌なこと」や、「やりたくないこと」をやめたいのに、やめられない人
・ 新たな行動を起こす、勇気が欲しい人
・ 未来に不安ばかり持っている人
・ 気楽に毎日を生きたい人
本書はそんな「現状を変えたい」という方向けに、「現状から出るための方法」を説明しています。
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■ 嫌なこと、したくないことばっかりの人生はもう嫌!
「嫌なことをせずに生きられたらなあ」
「大好きなことだけをして、生きて行けたらなあ」
私たちはよく、そう思うものです。
嫌な仕事、苦手なのに離れられない人間関係や、行事や会議などの苦痛な時間など、やりたくないことは多くあります。
でも、実際に行動に移そうとすると、決まって次のような思いが出てくるのではないでしょうか。
「でも、今の仕事をやめると、収入がなくなってしまう」
「あの人やあの集団から見放されると、大きな損失になってしまう」
「もし挑戦して失敗したら、状況は今よりも悪くなるし……」
こうして、現状からなかなか抜け出すことができずに、苦しみ続けているのではないでしょうか。
■ 妄想に気づけば、現状から出られる
そこで本書では、なぜこのように「夢が叶わない」という現象が起こるのかを説明し、その解決策を提案しています。
なら、なぜこのようなことが起こるのか。
本書の結論を先に言うと、それは「未来への不安」を妄想しているからです。
そして、その「未来への不安」を制御することができれば、不安を消せて、今を精一杯生きることができるようになります。
こうすることによって、自然と現状を変えることができて、望む方向に進むことができるようになります。
では、「未来への不安を制御する」とは、いったいどういうことなのか。
それが、「妄想に気づくこと」です。
本書のキーワードは、「妄想」です。
例えば、「嫌な仕事をやめたい。自分に合った仕事で独立をしたい」という思いがあったとしましょう。
実際にそう決意してみるといいでしょう。
すると、最初は「こうなったら、最高だな」という理想の状態を思い描いて、気分がよくなるでしょう。
ですが、すぐに次のような思いがのしかかってくるのではないでしょうか。
「でも、もし失敗すると、次はもっと悪い状態になるかもしれない」
「もしうまくいかなくてお金がなくなると、食べていけなくなって、飢え死にしてしまうかもしれない」
実際に、そういう可能性があるものです。
失敗し続けて預金を使い果たすと、食べていけなくなります。家にも住めなくなり、ホームレスになるかもしれません。周囲からはバカにされて、見捨てられます。食べるものがなく、健康を損ない、医者にもかかれません。そして、ひもじい思いをしながら冬の寒い夜に、みじめに独り凍えながら死んでゆく……
自然と、そういう「最悪の状況」をありありとイメージしてしまうものです。
「そんな風になるぐらいなら、今の方がまだマシだ」
そう思って、現状に居続けることを選んでいるのではないでしょうか。
■ なぜ、現状から出られないのか
しかし、ちょっと待ってください。
実はこの時点で、既に「妄想」の罠にはまっているのです。
例えば独立をするにしても、その想像している「最悪の状況」になるまでの過程では、その時々でいくらでも対処できる道があるはずです。
それなのに、いつの間にか「現状に居続ける」か「現状から出て飢え死にする」という二者択一にしているのです。
この罠を分かりやすくするために、こう考えてみるといいでしょう。
例えば、貴方はとある目的地にたどり着きたいとしましょう。それなのに、そこに通じる道が、大渋滞を起こしているのです。
貴方が今進もうとしている道は、工事か事故かで大渋滞を起こしていて、全く進みません。だから貴方はこの道にほとほと嫌気が差しています。
「もうこんなに変化しない現状なんて、嫌!」
車の中で、そう叫んでいます。
なら、冷静に考えれば、別の迂回ルートに入ることもできるものです。一時的には遠回りになっても、結果としてそちらの方がドライブを楽しみながら、しかも早く到着できそうだとすぐに分かるでしょう。
そして、そういう迂回ルートは多くあるものです。
ですが、思考の罠にはまると、これに気づけないのです。
先に、「もし失敗すると、寒い冬の夜に、飢え死にして死んでしまう」というイメージについて説明しました。
それは渋滞の例で言うなれば、「この道をそれると、事故が起きたり、永遠に道に迷ったりして、私は死んでしまう」と思っているようなものです。
途中でいろいろな迂回ルートはあるはずなのに、それが見えなくなってしまっているのです。
こうして、「現状の渋滞した道に居続ける」か、「現状の道から出て死ぬ」かの二者択一にしてしまうのです。
これによって、私たちは停滞し続けたり、堂々巡りになってしまい、いつまで経っても「変化しない現状」に居続けてしまうようになってしまいます。
これが、私たちが現状から出られない、大きな要因なのです。
■ 本書では、「未来への不安」を取り除く方法論を説明
このような「未来への不安」、すなわち「妄想」が、私たちを現状に押しとどめていると言えます。
そこで本書では、このような「妄想」が起こるメカニズムを説明して、この妄想から抜け出るための一つの方法論を提案します。
この心理メカニズムが分かりさえすれば、「ああ、妄想にはまっていたな」と気づき、冷静に考えることができるようになります。
すると、「現状か死か」の二者択一から抜け出せて、最適な未来を選択することができるようになるでしょう。
すなわち、少しの遠回り、すなわち「一時的なマイナス」を受け入れて、迂回ルートを取り、新たな道で未来を作り出せるのです。
少しずつでも未来が動き始めると、とたんに人生は面白くなります。
ドライブでも同じで、景色が動き始めると、楽しくなるものですから。
このようにして、嫌で嫌でたまらない現状から出ることができます。
そして未来への不安を取り除いて、安心してワクワクする、そんな新たな一歩を踏み出すことができるようになるのです。
本書ではそのような、「未来への不安」を取り除いて現状と未来を変える、そのメカニズムと一つの方法論を提案しています。
特に、不安を持ちやすい性格の人には役立つことでしょう。
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■ 目次
はじめに
第一章 「妄想」を止めれば、現状から出られる
なぜ、夢を叶える人と、叶えられない人がいるのか
「現状か死か」の二者択一に気づく
「一時的なマイナス」だと分かれば、行動できる ほか
第二章 「統合失調」という脳機能が妄想を作り出す
未来も過去も、「今」脳内で作られているだけ
統合失調は、誰でも起こしている ほか
第三章 なぜ人は統合失調を持つようになったのか
統合失調の起源
「長期的な未来」「長期的な過去」ほど不要になる ほか
第四章 「妄想」を止め、現状と未来を変える方法
妄想を止めて、人生を楽しくする四つのステップ
ステップ一: 妄想を止める
ステップ二: 時間の概念を少しだけ狭める
ステップ三: 時間の概念を狭めてゆくことを繰り返す
ステップ四: 新たな方向を決める ほか
第五章 価値観を変える考え方
結局は、価値観(自我)を一つにまとめればよい
「本当の自分」を掘り起こす ほか
あとがき
・ 「嫌なこと」や、「やりたくないこと」をやめたいのに、やめられない人
・ 新たな行動を起こす、勇気が欲しい人
・ 未来に不安ばかり持っている人
・ 気楽に毎日を生きたい人
本書はそんな「現状を変えたい」という方向けに、「現状から出るための方法」を説明しています。
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■ 嫌なこと、したくないことばっかりの人生はもう嫌!
「嫌なことをせずに生きられたらなあ」
「大好きなことだけをして、生きて行けたらなあ」
私たちはよく、そう思うものです。
嫌な仕事、苦手なのに離れられない人間関係や、行事や会議などの苦痛な時間など、やりたくないことは多くあります。
でも、実際に行動に移そうとすると、決まって次のような思いが出てくるのではないでしょうか。
「でも、今の仕事をやめると、収入がなくなってしまう」
「あの人やあの集団から見放されると、大きな損失になってしまう」
「もし挑戦して失敗したら、状況は今よりも悪くなるし……」
こうして、現状からなかなか抜け出すことができずに、苦しみ続けているのではないでしょうか。
■ 妄想に気づけば、現状から出られる
そこで本書では、なぜこのように「夢が叶わない」という現象が起こるのかを説明し、その解決策を提案しています。
なら、なぜこのようなことが起こるのか。
本書の結論を先に言うと、それは「未来への不安」を妄想しているからです。
そして、その「未来への不安」を制御することができれば、不安を消せて、今を精一杯生きることができるようになります。
こうすることによって、自然と現状を変えることができて、望む方向に進むことができるようになります。
では、「未来への不安を制御する」とは、いったいどういうことなのか。
それが、「妄想に気づくこと」です。
本書のキーワードは、「妄想」です。
例えば、「嫌な仕事をやめたい。自分に合った仕事で独立をしたい」という思いがあったとしましょう。
実際にそう決意してみるといいでしょう。
すると、最初は「こうなったら、最高だな」という理想の状態を思い描いて、気分がよくなるでしょう。
ですが、すぐに次のような思いがのしかかってくるのではないでしょうか。
「でも、もし失敗すると、次はもっと悪い状態になるかもしれない」
「もしうまくいかなくてお金がなくなると、食べていけなくなって、飢え死にしてしまうかもしれない」
実際に、そういう可能性があるものです。
失敗し続けて預金を使い果たすと、食べていけなくなります。家にも住めなくなり、ホームレスになるかもしれません。周囲からはバカにされて、見捨てられます。食べるものがなく、健康を損ない、医者にもかかれません。そして、ひもじい思いをしながら冬の寒い夜に、みじめに独り凍えながら死んでゆく……
自然と、そういう「最悪の状況」をありありとイメージしてしまうものです。
「そんな風になるぐらいなら、今の方がまだマシだ」
そう思って、現状に居続けることを選んでいるのではないでしょうか。
■ なぜ、現状から出られないのか
しかし、ちょっと待ってください。
実はこの時点で、既に「妄想」の罠にはまっているのです。
例えば独立をするにしても、その想像している「最悪の状況」になるまでの過程では、その時々でいくらでも対処できる道があるはずです。
それなのに、いつの間にか「現状に居続ける」か「現状から出て飢え死にする」という二者択一にしているのです。
この罠を分かりやすくするために、こう考えてみるといいでしょう。
例えば、貴方はとある目的地にたどり着きたいとしましょう。それなのに、そこに通じる道が、大渋滞を起こしているのです。
貴方が今進もうとしている道は、工事か事故かで大渋滞を起こしていて、全く進みません。だから貴方はこの道にほとほと嫌気が差しています。
「もうこんなに変化しない現状なんて、嫌!」
車の中で、そう叫んでいます。
なら、冷静に考えれば、別の迂回ルートに入ることもできるものです。一時的には遠回りになっても、結果としてそちらの方がドライブを楽しみながら、しかも早く到着できそうだとすぐに分かるでしょう。
そして、そういう迂回ルートは多くあるものです。
ですが、思考の罠にはまると、これに気づけないのです。
先に、「もし失敗すると、寒い冬の夜に、飢え死にして死んでしまう」というイメージについて説明しました。
それは渋滞の例で言うなれば、「この道をそれると、事故が起きたり、永遠に道に迷ったりして、私は死んでしまう」と思っているようなものです。
途中でいろいろな迂回ルートはあるはずなのに、それが見えなくなってしまっているのです。
こうして、「現状の渋滞した道に居続ける」か、「現状の道から出て死ぬ」かの二者択一にしてしまうのです。
これによって、私たちは停滞し続けたり、堂々巡りになってしまい、いつまで経っても「変化しない現状」に居続けてしまうようになってしまいます。
これが、私たちが現状から出られない、大きな要因なのです。
■ 本書では、「未来への不安」を取り除く方法論を説明
このような「未来への不安」、すなわち「妄想」が、私たちを現状に押しとどめていると言えます。
そこで本書では、このような「妄想」が起こるメカニズムを説明して、この妄想から抜け出るための一つの方法論を提案します。
この心理メカニズムが分かりさえすれば、「ああ、妄想にはまっていたな」と気づき、冷静に考えることができるようになります。
すると、「現状か死か」の二者択一から抜け出せて、最適な未来を選択することができるようになるでしょう。
すなわち、少しの遠回り、すなわち「一時的なマイナス」を受け入れて、迂回ルートを取り、新たな道で未来を作り出せるのです。
少しずつでも未来が動き始めると、とたんに人生は面白くなります。
ドライブでも同じで、景色が動き始めると、楽しくなるものですから。
このようにして、嫌で嫌でたまらない現状から出ることができます。
そして未来への不安を取り除いて、安心してワクワクする、そんな新たな一歩を踏み出すことができるようになるのです。
本書ではそのような、「未来への不安」を取り除いて現状と未来を変える、そのメカニズムと一つの方法論を提案しています。
特に、不安を持ちやすい性格の人には役立つことでしょう。
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■ 目次
はじめに
第一章 「妄想」を止めれば、現状から出られる
なぜ、夢を叶える人と、叶えられない人がいるのか
「現状か死か」の二者択一に気づく
「一時的なマイナス」だと分かれば、行動できる ほか
第二章 「統合失調」という脳機能が妄想を作り出す
未来も過去も、「今」脳内で作られているだけ
統合失調は、誰でも起こしている ほか
第三章 なぜ人は統合失調を持つようになったのか
統合失調の起源
「長期的な未来」「長期的な過去」ほど不要になる ほか
第四章 「妄想」を止め、現状と未来を変える方法
妄想を止めて、人生を楽しくする四つのステップ
ステップ一: 妄想を止める
ステップ二: 時間の概念を少しだけ狭める
ステップ三: 時間の概念を狭めてゆくことを繰り返す
ステップ四: 新たな方向を決める ほか
第五章 価値観を変える考え方
結局は、価値観(自我)を一つにまとめればよい
「本当の自分」を掘り起こす ほか
あとがき