KEIEIHINSHITSU TO HINSHITSUHOSYO MANAGEMENT NO JITSUMU: KIGYOSONBOKIKI WO ASSESSMENT SURU HON HINSHITSUGIJYUTSUSERIES (Books) (Japanese Edition)

本書では、企業経営の長期的な成功と繁栄を基礎においた経営品質向上のパラダイムの中で、品質実現、品質価値創造、最適生産、品質予防、品質保証のマネージメントのあるべき姿に焦点を当てています。
本書を書く目的は、昨今、商品、システム、製品、サービスの安全上の欠陥と瑕疵を原因にして、重大障害事故や人身死傷事故の悲劇が、時をおかず頻繁に発生していることに加えて、性能データの違法測定、偽装不正、データ改竄などの品質隠しによって、社会と利用者を欺き、我々の生活を脅かし不安に陥れる行為が日常的に行われている現実をみて、このような悲劇を再び繰り返さないように、私の経験による経営品質向上と品質価値創造の理論と実務が役に立つと思ったからです。
有名な経営学者、ピーター・ドラッガーは、組織の存在意義として「組織はすべて、人と社会をより良くするために存在する」と経営思想の神髄を述べているように、企業や組織の使命は、人と社会に役立つ商品とサービスを提供することによって、人と社会の暮らし向きをより良くし、より豊かにするところにあることは言うまでもないことです。
企業組織の存在意義は、「社会のため」「社員のため」「互恵のため」、「正義のため」にあると考えます。
その一方で、私たちの生活を不安に陥れ、危険に晒し、人が大切にしているものや、人の生命まで奪い、人と社会を欺くような経営を平然と行っている企業組織もあります。このような不祥事が何故多発するのか、経営者が目先の利益にのみ目を奪われ、企業組織の使命に無関心であると想像するに難く有りません。
これらの原因の一端は、熾烈な過当競争社会の中にあって、経営者が目先の利益にのみ囚われて、品質実現と品質保証は二の次にして無関心、お任せ、あるいは形式的にやっていれば良いとする思想からだと容易に想像することができます。
私は、多くの企業を見てきた中で、様々な経営上の問題や、品質価値創造の問題に直面してきました。
企業組織を経営するについて、歴史から学べる最も大切な教訓のひとつは、経営品質向上のパラダイムの中で、経営者が品質価値創造、最適生産、品質予防、品質保証の活動に、率先垂範して積極的にコミットメント（参加、献身、誓約）し、誠実にマネージメントしている企業組織は必ず長期において繁栄しているということです。
本書を通じて多くの方々がこの考え方を理解され、人に優しい社会とビジネスの成功に少しでもお役に立てれば、この上なく幸せに感じる次第であります。